道化の恐怖とラストの落差が激しい映画。

原作がスティーブン・キングということで、きっと面白かろうと思い、観てみた映画。まず怖いのは、ITが正体不明というところ。人を楽しませて笑わせる道化が、逆に人を怖がらせる者に変わりえる怖さがあります。隙なく描かれたピエロのどぎついメイクが、どうしてこんなに怖いんだろうと思うほど怖い!人がいるはずのない排水溝の隙間からじっとこちらを見ているところ。ちょっとした隙間とか、ドアの後ろとか、クローゼットの隅とか、シャワー室のカーテンの陰とか、どうしてこうも人を怖がらせるかなー!と思うような、ちょっとした怖さがまんべんなくちりばめられています。つい、自分の家でもそういうちょっとした片隅や暗がりが怖くなって、何もいないか確認してしまうような、後味のわるい怖さがいつまでも残りました。それから、水道から水ではなく、血があふれてくるとか風船が割れて、血が出てくるとか、その血もやけに鮮明で怖い。日常とかけ離れたところではなくて、自分と同じ日常生活のなかでいろいろなことが起こっている、というのが空恐ろしさを誘います。全ての人に見えるわけではない、というのも観ている側をはらはらさせますが、こんなに恐怖を煽っておいて、このラストは何なんだー!というラストが準備されています。こんなに何十年も人を怖がらせたり殺したりして来たのが、「これ」なの・・・・????と。正体、というからにははっきりした形を持たせないといけなかったのかもしれませんが、あまりにも即物的すぎる。正体を見るところまでで終わりにしておいた方が、ずっと恐怖を感じていられるかもしれません。

レビュー投稿