いかがわしい傑作

スプラッターの祖と言われているハーシェル・ゴードン・ルイスのいかがわしい傑作。お話の方は「アメリカ中西部や南部は基地外がいるから恐いよねぇ」モノですが、同種のマスターピースとなった「悪魔のいけにえ」は10年後の‘74年の作品。

アメリカ南部の地図に無い村「プレザント・バレー」を通りすがりに引き留められた3組のカップル。

熱心な町長と異様に明るく振舞う住民の説得で、丁度催されていた100年祭の主賓として渋々招待されるが、この町には彼らの想像を絶する秘密があった。

ストーリーと言ってもこのくらいしかないです。この後はヤンキー達が一人づつ残忍に血祭りに挙げられていくんですが、ホラーの定石をあまり活用しない本作は、例えばスリラー的な盛り上げの為の暗くなるシチュエーション、とかにはしないです。

全くの「ど・ピーカン」の中、陽気なカントリー&ウェスタン(監督/作曲・歌唱)を延々流しながらゲラゲラ笑い続ける住人達の狂騒的なリンチが盛り上がって、逃げ場が無くなって殺されていくのが絵的に恐いです。

素人が多いので現場で時間くわない様長回しにしたら、ドキュメンタリータッチに見えて恐いです。

エキストラをとにかくニコニコさせてるだけの演技指導が、話通じない感じがして恐いです。

何故殺そうとするのか、当事者には死ぬまで、映画を観ている観客には終りの方まで説明が無いのが恐いです。

撮影に協力してもらった街が今はディズ○ーワールドに買収されてこの世に無い、と言うのがビックリです。

映画の終盤で幽霊譚として幽玄な雰囲気がアメリカ映画のくせにキチンと演出されているのに関心しました。

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