とにかくまあ救いようがない

あるバーのママがレイプされた上に殺された。ママは殺される際に何人かの名前を白状させられていた。そのリストにあった有閑マダムを次々と殺していく男。なぜ彼女たちを男は殺すのか、最初に殺されたママの住むマンションから投身自殺をしたというクリーニング屋の少年とは、どのような関係があるのか、謎を秘めたまま物語は進む・・・・・・・・。

とにかくまあ救いようがない。主人公が「みな殺し」をしなければならなくなった動機が、レイプされて自殺した少年の復讐ってのはまあ分かるとして、主人公とその少年が特に何の関係もなかったというから驚かされる。主人公にとって、その少年はただ唯一の美しいもの、この世で唯一信用できるものとして象徴的に捉えられているのだけれど、裏を返せば、ただ同郷の顔見知りだという縁もゆかりもない少年にすべての夢を託さなければならないくらい、主人公の人生は絶望的なものだとも言える。

有閑マダムたちも、純真な少年をレイプした理由は、性欲と言うよりもむしろ「退屈」だろうし、高度成長期の最中、発展を続ける日本社会の中で、置き去りにされていく人々の空虚な心の穴がそこにはある。

ラーメン屋の店員との恋も、うまくいくのかと思いきや、その店員が実は実の父親を殺した罪で服役していた去があることが明らかになり、「恋」は救いになどなりはしない。

見所は、倍賞千恵子のかわいさ。とにかくかわいい。惚れ惚れする。

あ、あと、菅井きんの死体写真がリアルすぎて笑える。死体の演技うますぎるだろ、きんさん。

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