浅野温子の顔が怖かった

この空気感が好きであれば、がっつりハマれる作品だと思います。

B級ホラーで、予想通りの展開なのだけれど、ラストは切ない終わり方というお決まりパターンが素適です。

人里離れた森の中にある洋館(舞台は昭和35年らしい)、優しい父(野口五郎)と妖しい母(浅野温子)、妖しい女使用人に、異形の赤ん坊。

おいしい要素が全部詰まっています。

途中まで赤ちゃんの顔が映らずに影だけだったり音だけだったりして、そっちの方が怖かったです。

顔が出てからは、ちょっとSFっぽいというか、モンスター映画みたいになっちゃったかな。

異形の姿で生まれてきてしまった少女の悲しい物語だと考えた方が後半は楽しめるかもしれません。

絵本とか、王子様とか、さりげなく絶妙なアクセントが散りばめられていて良かったです。

主人公始め、演技があまり上手じゃない人が多いのだけど、みんながみんながそれだし、空気感自体が異様な映画だから、そんなに気にしなくて済みました。

赤ちゃんより何より浅野温子の顔が怖かった。

そして、全く内容に関係ないのに、初っ端に出てくる運転手役の板尾さんも怪しくて怖かったです。

いきなり残虐なシーンがあったりして、しかもそれがなかなかグロテスクなのでご注意ください。

山口雄大監督作品も何となく色々観てきましたが、この作品が一番お気に入りになったかな〜と思います。原作に対する愛情も強く感じました。今後も彼の作品、色々と漁ってみようと思います。

赤子の声で泣く得体のしれん化け物

孤児院で育てられた15歳の少女、葉子(水沢奈子)が、戦争で生き別れになっていた両親、南条家にご厄介に。しかし皆冷たくて思い切りアウェーな空気!そしてなんか赤子の声で泣く得体のしれん化け物っぽいのが家にいるぞ!…ってのが物語の始まり。

実はこの化け物の正体、葉子と血を分けた双子の娘(妹なのか姉なのかちょっと調べたが分らず)、タマミちゃんなのでありました。身なりは赤ちゃんだけど、見た目も性格もかなり凶暴!そして身体能力も半端ない!ということでここからタマミの殺戮ショーが始まります。でもこれが、山口雄大監督作品にしては意外と正統派ホラーっぽくまとまってるのが面白い。ホラーな中にも哀しみのあるお話だしね。

タマミの造形を担当したのは『東京残酷警察』『ヘルドライバー』の西村喜廣氏。これがホントに表情豊かに動くのが凄い。ちゃんとタマミに魂が宿ってる。この映像観るだけでもこの作品観る価値は十分にあり!

しかし予告編映像の「もしタマミちゃんに襲われたら、投げてください」って酷いな。タマミちゃん無茶苦茶機敏に宙を舞ってたしな。ムササビか!

俳優陣もなんか知らんけど豪華。主演の水沢奈子は広島県民ならメガエッグの宣伝でお馴染み。無垢な少女の役ちゃんとハマってたと思う。その両親を演じるのは野口五郎と浅野温子。浅野温子はホラー初挑戦とのことですが、これも楳図かずおが描く女性特有の爬虫類っぽい不気味さにマッチしてるなぁと。他にも生田悦子、堀部圭亮、板尾創路と一癖ある役者が勢揃いしてます。

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