デイ・オブ・ザ・デッド

独自色の強いゾンビ映画

冒頭で小屋のような場所で、二組のカップルがイチャイチャしているシーンが出てきたので、ここでゾンビが登場して二組のカップルが襲われるんだなと最初そう思いました。

ホラーではなぜかカップルの教われる率が非常に高く、生存率はかなり低いです。なので襲われるんだろうなと思ったのですが、片方のカップルの男が鼻から血を流すくらいで、特にゾンビは出てこず、男の鼻血で機嫌を損ねた彼女が一人でサクサクと帰っていっただけでした。

残された三人は普通に車で帰っていったので、ゾンビが登場するんじゃないのかと思っていたら、案の定一人で帰ろうとしていた彼女がゾンビに遭遇に帰らぬ人となったのです。

そこで場面が切り替わり軍隊が街を封鎖するところから始まります。演習と称した訓練を行うということで、主人公の部下を持つ女性が故郷であるため、母親の様子を見に行ったのです。その家で冒頭に出てきた鼻血を出した男ではないほうのカップルの男が主人公の弟であることが発覚して、一気に生存フラグが高まったのです。これは私は意外でした。最初に出てくるカップルというのはやられるのがセオリーなので、こう来るかと思わず唸りました。

ゾンビが町に溢れてからは主人公の女性とその部下、主人公の弟とその彼女という二つの視点から物語が進んでいきます。

主人公の女性は軍隊なので強いのは当然ですが、弟カップルのほうも苦戦しながらもゾンビを倒していて、途中で合流するところはある種感動を覚えました。

主人公の部下二人のうち一人がゾンビに噛まれるのですが、ゾンビ化しているにもかかわらず、なぜか人を襲わず、その理由がベジタリアンだからというのには思わず失笑してしまいました。またゾンビは遅いというのが通説ですが、この映画に登場するゾンビは走るわ飛ぶわでゾンビの概念を覆しており、独自色の強いゾンビ映画だなと感じました。

テンポで最後まで楽しめる

ゾンビと共に生き、そして死んでいくであろうジョージ・A・ロメロ監督のゾンビサーガ3作目「死霊のえじき」のリメイク・・・だそうです。

冒頭、若者達によるペッティングが登場します。

能天気B級スラッシャー映画では定番ですが、これは社会派ゾンビ映画のリメイクです。

途端に、家のカギを開けっ放しにしてきてしまったかのような不安感に襲われます。

ゾンビになる原因も、感染症によるものらしいし、ゾンビになると全力疾走で追いかけてきます。

窓ガラスをバリーンと突き破って登場したり。

これじゃ全然ロメロのゾンビじゃないですよ!

ゾンビの世界も最近は世知辛くなってしまったんでしょうか。

昔はノロノロ歩いてアーアー言ってればオーケーをもらえたのに、今では「走れ!窓に体当たり!天井も走れ!」と厳しい注文が飛びます。

後期高齢者やネット難民でも務まったゾンビ役も、今ではジャパンアクションクラブとかに依頼しなければならないなんて。

「死ぬ気にならなきゃゾンビ役なんて務まらないぞ!」などと、良く分からない説教を食らったり。

ゾンビにとっても生きにくい世界になったようです。

若干安っぽいCGもバンバン使い、重苦しいシーンも無し、社会派な風刺も何一つ存在しません。

ストーリーも完全に別物ということで、リメイクどころか完全にロメロのゾンビ映画とは真逆の作りとなっています。

何故これをリメイクとしたのかは全く不明ですが、その点を無視すれば、なかなか派手なシーンもあり、軽快なテンポで最後まで楽しめるB級娯楽ホラーとしては良く出来ていると思います。

CGの血糊はイマイチノれない

ジョージ・A・ロメロの『死霊のえじき(Day of the Dead)』のリメイク。

米軍が極秘裏に開発してた細菌兵器が漏れちゃったせいで、ゾンビウイルスのパンデミックが起こったわけなんですが。今回のゾンビは空気感染だし相変わらず全力疾走だし、なんとゴキブリのように天井もカサカサと這い回ります。足食われた上官のゾンビもヒョイヒョイと追いかけてくるし。二階、三階くらいなら平気で窓ガラス突き破って飛んでくるし。なんと車の運転もするし銃も撃ってくる。全く勝てる気がしないですよ。

映画はこのハイパーなゾンビ達から如何に生き延びるか、というサバイバル・アクションに重点が置かれてます。

オリジナル版でおそらくロメロ監督が一番描きたかったのは、ゾンビと人間は意思疎通できるのか?という点だったと思ってます。設定は違いますが、本作においてもちゃんとそこは描いてあるのが嬉しい。今回は主人公サラと部下であったバドとの関係。ベジタリアンのゾンビは人肉食べないらしいですよ。これは面白い新説。サラに上官以上の感情を抱いていたせいもあるのかな。ラストのサラの大ピンチを救ってくれるのもこのゾンビのバド君なんだよね。悲しいことに首ねじ切られてましたが。でもこのサラとバドの繋がりは面白いと思いました。

映像は流石に進化してますが、やはりCGの血糊はイマイチノれないんだよなぁ。やはりトム・サヴィーニでないとダメか。ゲーム感覚じゃなくて映画を観たいんだよな。これは近年のVFXホラー全般に言えることなのかもしれんが。

どうでもいい部分が気になる

ロメロのデイオブザデッド(邦題/死霊のえじき)のリメイクらしいが本家を観たのが遠い昔に一度きりなので比べたりできないので、とりあえずまっさらな気持ちで鑑賞。

今まで数あるゾンビ映画の中で最も動きの速いアクティブなゾンビ(というか病人でしょ)が登場。

さっきまで人間だったのが死んだ(?)途端いきなり顔がグチャッとなるのが変。

瞬間的すぎる。

そしてどう見ても早送りなスピードでピョンピョン跳んでくるやら重力無視して天井這うやら、しまいには弾丸を避けるから始末に負えない。そんなマッハゾンビでも火にはやたらと弱いという、なんだか微妙な存在感。

しかしそのスピードを活かした半ばアクション映画みたいな殺戮シーンやゴアシーンは、CGぽさは目立つもののなかなか良いです。

でもあれ?確か元は兵士の動きを弱くする細菌だったのに……ま、深く考えない。

全体的にはテンポが良すぎるくらいチャッチャカ進むので飽きる事は無いですが、ゾンビが全力で突っ込んでも開かない通風口を主人公は素手でスカッと開けちゃったり、車避けてるようにしか見えないゾンビがいたり、生前の記憶があり菜食主義のゾンビがいたり、突っ込まずにはいられない部分は結構あります。

そして街の名前がエルム街なのはギャグでしょうか。

あとちっとも軍人には見えない主人公、どうにかならなかったのかなー。わりと偉い地位ぽいので厳しい訓練とか積んでる筈なのに動きとかお粗末。

エリートなのだろうか、と、どうでもいい部分が気になる。

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