十分に見ごたえはある映画

期待はしていなかったが、意外と面白い作品だった。

ストーリーはヴァンパイアが人間の数をはるかに上回り、完全にヴァンパイア社会となった世界のお話。ここでは人間は捕獲され血液提供用の生き物となっているが、その人間が絶滅の危機に瀕し、深刻な食糧難を起こしている。主人公のヴァンパイアは代用血液を作ろうとする研究者なのだが、上手く行かない。そんなある日、彼は元ヴァンパイアだという人間と出会い・・・

ゾンビものにおいては怪物・人間逆転現象はまま見られるが、ヴァンパイアものでは意外と少ないのではないだろうか。この映画はそんなヴァンパイアが主となった社会を描いている点が面白い。日光を遮る車であったり、血液を売買する売店、人間のように生活するヴァンパイアたち。今までのヴァンパイア映画ではヴァンパイア=超越した存在として描かれることが多かったが、本作ではかなり人間臭さが漂っている。

ストーリーの展開も実に面白く、今までにないヴァンパイア映画を楽しむことが出来た。結末も綺麗にまとまっており、終末映画らしい救いのないエンディングに逃げていない。

ただ、最終的に人間であることが正解といった展開になってしまう点が残念だった。ヴァンパイアの社会を描いたのであれば、ヴァンパイアであることも一つの選択肢であるというカタチに持っていってくれればと、いささか不安が残る。

とは言っても、そこまで贅沢な要求をしなければ十分に見ごたえはある映画と言えるだろう。

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