遊星からの物体X ファーストコンタクト

普通な追従型モンスターホラー

ジョン・カーペンター版の前日譚ということもあり、結末を知っているが故の焦燥感、終わりからの始まりの繋ぎ方など、うまく撮ってるなぁと思うことや、飛来してきた宇宙船、壊滅していく基地、エイリアンの造形など限られた設定を尊重して作っているのでカーペンターの世界観を損なわずに愛情も多分に感じるが、愛以上に感じるものがない。こっちは、愛されるよりも愛したいんですよ、マジで!

誰が乗り移られているかわからない疑心暗鬼からの恐怖や、従来のモンスターパニックみたいに追い詰められ戦慄する演出と違い、隣にいるだけで違和感があり、犯人探しをする様はまるで金田一少年の事件簿のような緊張感があったカーペンター版とは違い、至って普通な追従型モンスターホラーに成り下がっているのが残念でならない。ここは「カーペンターっちゃんの名にかけて!」と気合い入れてほしかったなぁ。

それとモンスターパニックにしようとした結果なのか、登場人物を大幅に増やした潔さはよかったけど、それが仇となってまったく誰が誰なのかわからなくなってしまっている。誰が死のうがあんまり興味がないのはパニック映画としてはどうなんだろう。アイツ早く死なへんかなぁ、と思いながら殺されたときの、死によったでぇ!と胸がすく想いの爽快感は必要でしょう。現実を生きる糧のためにホラーを見てる身としては。

後半の宇宙船もなんだか蛇足だけど、最後の決断はカーペンターに通じる悲壮感があって、監督はどこまでもこの作品を愛してるんだと実感した。リアルな純愛映画とはこういうことをいうんじゃないでしょうか。

繋がりを感じさせる良い作品

"カーペンター版物体X!の、前日譚である本作。

カーペンター版の前作がかなり好きで結構楽しみにしていましたが、重い雰囲気やあの音楽等、予想してたよりもずっとリメイク色が強くて、でもそれはそれでOKな出来でした。

物語も前日譚とは言うものの、前作を準えてて先の読める展開で深みはあまり無いが、色々と前作のネタをちりばめてあるので十分楽しめました。

あとこの作品の最大の見所である物体Xですが、流石に前作の究極に気持ち悪い、犬ピシャーさんや首蟹さんやお腹パッカリさん等々には敵いません。

が、CGでそこそこ頑張ってて、結構気持ち悪く出来てました。若干安易なデザインではありましたが...前作が凄すぎたから仕方がないかな。

個人的には配色が普通すぎるなとは思いました。

他に残念な点は

☆南極なのにあまり寒そうじゃないので、前作にあった肉体的にも疲弊してるイメージが足りなくて緊張感に欠ける。

☆カーペンター版での1つの肝でもあった人対人の争いが少なかった(ま、そこは厳密に言えばリメイクでは無いから仕方がないのか)

☆宇宙船のシーンはベタすぎていらない。

等ありましたが、なんだかんだでラストのテロップに挟まれる前作のオープニングに繋がる犬のシーンに興奮してしまって宇宙船のシーンのダメさがぶっ飛んでしまいました(笑)

ここが一番良かったです。

とりあえず、前作を知らない人がカーペンター版に興味を持つ、知ってる人はまた観たくなる、そんな繋がりを感じさせる良い作品ではあった気がします。"

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