ぼくのエリ 200歳の少女

ヴァンパイア映画の新たなる古典

「ヴァンパイア映画の新たなる古典」ってのがこの映画を評するに当たり、この映画らしい評価だと思う。

主人公の美少年のオスカーの内面的ナルシズムが本当に気持ち悪くて、初めは「何この子きもい、中二病もいい加減にしてほしいわ!」と突き放して見ていたんですが、彼が恋に落ちるあたりから、彼にどんどん感情移入できるようになり、ラストシーンでは彼のこれからの人生を「お前それでいいの?人生その年齢で決めちゃって」感に溢れてしまいました。

共生に至るまでの経緯(始まりまで)、そして結末(終わり)がこの映画で同時に描かれており、オスカー少年のこれからを全力で心配してしまうのです。

この関係って片利共生(エリ側のみが利益を得る)じゃないの?と思うのですが、「利害関係は可変的であったり観察困難だったりするため、利害関係は考慮せず、複数種の生物が相互関係を持ちつつ同所的に生活している状態をすべて共生と呼ぶ。」という片利共生も共生の一部なんだぜという説明が表すようにオスカー少年もなんらかの利益(多分、エリの愛情)を得ているのだと思います。

映画の描き方としてエリって最低な女だなッ!利用するだけ利用して最後はポイですか!ってならないのは彼女が他の種族であり、でもむしろ憎むべき、恐れるべき彼女を愛してしまったお前が悪いんだろ理論が無意識のうちに我々を納得させている…いやいやいやこの女黒いよ…恐いよ…

この映画のおかげでヴァンパイア映画巡りをしたいと思えました。

いじめられっ子とバンパイア少女

主人公はいじめられっこの少年です。

いじめられっこに彼女が出来たりすると、大抵は人間でなかったりするものですが、この映画もその法則通り、やっぱり彼女は化け物でした。悲しいのは、少年は当然女性経験が全く無いので、化け物でもなんでもいいや!とすんなり割り切ってしまうことです。

その化け物彼女は、人間の血を吸って生きるバンパイアです。

この映画はホラーとして見ると随分おとなしすぎる内容ではあります。

少年と少女の純愛ロマンスだと思って見て、仰天するくらいがちょうど良いかもしれません。

個人的にはもっとホラーの要素が強い作品だと思っていたため、随分静かな映画だな〜と思いました。

怖がらせるような撮り方は全然していないので、最初からそういうものは目指していないのでしょう。

少年とバンパイアの心の交流を描いたダーク・ファンタジーでした。

派手なシーンの少ないかなり地味な映画なのに、ほとんど退屈しなかったのは、役者の魅力によるところが強かったと思います。

結局バンパイアに少年が丸め込まれただけの話にも感じますが、実際2人の間に本当の心の結びつきが生じたのでしょうか?

それは、すべての恋愛や友情がそうであるように、誰にも証明は出来ないのでしょう。

ただ、少年が恋によって大きく変化したのは間違いありません。

女性がどうかは分かりませんが、男が大きく変化する時は大体そんな理由です。

それが良い変化なのかどうかは人それぞれですが、この少年の決断はどうだったんでしょう。

個人的には、暗い終わり方には感じませんでした。

レビュー投稿