ブラッディ・パーティ

ラストの味気なさがもったいない

従来、モンスターや異形のものをメインに据えた映画といえばホラーと相場が決まっていたけど、最近はホラーに限らず多種多様なものが頻発している。その代表例といえば、もはやそれがジャンルといってもいいほど世間に認知された“ゾンビ”ではないか。

人が人を食べる終末感に恐れを為していたが、今では、ペットとして飼うことが出来たり、自我に目覚めて初恋の彼女を探す旅に出るなど、もはや普通のヒューマンドラマと大差ない。極めつけは、哀川翔ゾンビと柔術対決という異形が異形を演じる離れ業まで飛び出す始末。

ここまでぶっ飛んだ設定は多くないが、『ぼくのエリ』などに見られるようにヴァンパイアものもホラーという括りに収まらない広がりを見せている。今作品がまさにそうであるように。

心理サスペンスの『THE WAVE』が記憶に新しい、デニス・ガンゼルが構想14年かけて作った映画だけあり、人物描写が細部にまで至っているので主要人物の4人どれもに感情が揺れるが、みんなが共通で根底に抱えているものは、形はそれぞれ異なるが愛情だ。

運命の人を250年探し続けた者、自由奔放に今の生活を謳歌する者、疎外感に苛まされていたが気に掛けてくれた人に惚れた者など。その中でも夫と子どもがいながら強制的にヴァンパイアにされてしまったシャルロッテの悲哀は一番心の振れ幅が大きくなる。老人になってしまった子どもと、呪いにかけられたようにいつまでも若々しい自分の対比に哀しみが助長させる。

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