ダイアリー・オブ・ザ・デッド

安定感があって最後まで楽しめました

冒頭、バカな学生達がゾンビ(ミイラ?)映画を撮影しています。

なんと、そこへ本物のゾンビが登場してしまいます!

これってトロマ社製の作品だっけ?と思いました。

ロメロ監督のゾンビ映画って、基本シリアスな内容だったはずですが。

学生が逃げる最中に出会うツンボジーサンも爆笑を誘うキャラで、違和感を感じます。

まさかロメロ監督は、すでに介護が必要な状態になってしまったのでしょうか。

しかし、そこはさすがゾンビ一代男ロメロです。

ゆったりしたテンポながら、様式美を裏切らないツボを押さえたゾンビ演出で、見るものを引き込んでいきます。

ゾンビの登場や殺し方も凝ってます。

全体的にはセルフパロディとも言えるほどこれまでの作品を踏襲していますので、新鮮味はあまりありませんが、安定感があって最後まで楽しめました。

「28日後」のようにロードムービー的だったり、「REC」のように主観映像中心で作られていたりと、自分の映画に影響を受けた作品に逆に影響を受けているのかな?とも思いました。

そうだとしたら、ちょっとイイ話だと思います。

ただ、主観映像映画は「REC」以外にも色々ありますし、この映画ではそれがあらかじめ編集されている設定のため、あまりその特徴を生かしきれていない感じです。

普通の映画として見れてしまうのは、見やすいといえばそうなのですが、主観映像映画独特の緊張感は削がれてしまっている気がします。

とはいえ、ロメロ作品として十分楽しめる内容でした。

現代社会への皮肉も相変わらずです。

リアリティの甘さを上げればきりがない

主観カメラの映像から展開される物語ですが、同じ手法の“レック”という映画がありますが、遥かにこちらのカメラの方が良くて、とにかくリアルなんですよね。伝えるというわりには、いきなり出て来たゾンビに驚き、カメラを逸らしてしまったりするんですけど、こっちではそういう事が一切なく、もの凄い近距離でゾンビを撮影するし、嘘くさいぐらい決定的瞬間を次々捉える。

そもそも、このカメラの映像一本で行くという意図がもうよくわからないんですよね。このやり方で一番効果的に現れる作用というのは、やはりリアリティや、“劇”ではなくなるという事を目的として取り入れられた手法に思うんですけど、この映画はとにかく間がなく、1分に一度、何かしらの出来事や事件が起こるので、リアリティのへったくれもない。しかもこの映画は、最初に主人公が編集したという呈で物語は進められるので、効果音やナレーションが入っていて、結局あまり主観カメラの意味を成してない。

このリアリティの甘さを上げればきりがないんですよねこの映画。わざわざ主人公が最初に恐怖心に訴えかけたいから効果音を付けたとか断りを入れますが、真実を伝えたいならそういう事はしない方が良いし、それよりなにより、監督が単に効果音なしでは駄目だと思って入れたのが見え見えなんですよね。完全に監督の言葉なんですよ。

ただこの映画のメッセージは好きです。訴えかけようとしている事は40年前の“ナイト・オブ・ザ・リビングデッド”と全く変わっていなくて、反戦なんですよね。ゾンビとは人間のもう一つの姿であり、それに対峙する人間も人間。

さすがはロメロ

この巨匠にしてこの低予算かい!っと思わずツッコミたくなるぐらいのB級の印象でしたね。

まぁ、B級作品は嫌いじゃないし、B級作品はB級なりの楽しみ方ってのもありますし…何も考えずにダラ〜っとね。

でも何だかんだと言っても、さすがはロメロ!

『ブレアウィッチ』や『クローバーフィールド』でお馴染となった、手持ちカメラで取り続ける手法でゾンビ映画をヤッてしまうなんて。

まぁ、その効果もあって生々しい映像が展開されてはいるものの、ちょっと臨場感には欠けていたかな。

この作品は、ゾンビがメインというよりも、この学生達に重ねて社会を風刺するって感じの作品だったように思いました。

事故現場や戦場に赴き、目の前で苦しむ人を助けるのではなく、「真実を伝える」とかいうエゴに駆られて、感違いの使命感を持ち傍観者となる現在のメディアを痛烈にヒニクった構成になってますよね。

目の前で友人が殺されそうなのに、記録に残すためとファインダーを覗き続ける主人公。『危ない!』と言いながら助けることなくカメラを回す主人公…あれほど『こんな時に、カメラを回すな』と言ってたヤツらが、カメラを持つとけっきょく『はい、アクション』みたいな。

一方で、テレビからは嘘ばかりが流れる中、YouTubeには一般人から寄せられた真実(衝撃映像)や嘘の情報が氾濫してしまい、ますます混乱してしまうといった、個人がネットを使って発信する情報が「メディア」を超える現代の危うさも描かれてましたよ。

ダイアリー・オブ・ザ・デッドの感想

これ観たのは結構前ですで、若干、記憶が古いわけですが、感想書いていきたいと思います。

この映画はジョージ・A・ロメロ監督の作品なので、もうゾンビ映画好きの方は当然のごとく観ているかと思います。

調べた結果、出演しているのはミシェル・モーガン, ジョシュ・クローズ, ショーン・ロバーツ, エイミー・ラロンド, ジョー・ディニコルなどです。

話の流れはこうです。

山の中で卒業制作の映画を撮影していた数人の大学生がいました。

そこに世界各地で死者が甦ったというニュースが流れてきます。

そこでとりあえず、「大丈夫か?こんな事していていいのか?」っていうことで撮影を切り上げます。

その中に意味不明にとても熱い男がいました。

ドキュメンタリー監督志望のジェイソンです。

それら全てをカメラにおさめようといいだします。

ちなみにこの映画自体が全て、彼らが撮影し編集した映像なんです。

彼らが撮影した映像こそが「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」なんです。

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」が他とは違うのは、このゾンビ映画では、死んだら確実にゾンビになってしまいます。

ゾンビに噛まれたり、血がかかったりしなくても、死んだら確実にゾンビなんです。

この点が他の映画と違う点で少し考えさせられます。

感染者系のものなどで走ったりしますが、この作品は走ったりはしません。

この作品はよくあるゾンビ映画とは少し違います。

ゾンビがいる日常が普通になってくると、もしかしてこうなるんじゃないかというところも

描かれています。

それが何というか複雑です。

ゾンビを標的にして遊び感覚で銃を打っている様子など慣れると、人間はこんなにも恐ろしくなってしまうのかと思いました。

個人的にダイアリー・オブ・ザ・デッドの評価はそんなに高くないですが、少し考えさせられるものでした。

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