ジワジワ迫る心理的恐怖

この映画には凶暴なエイリアンや怪獣、ゾンビが出るわけではありません。

舞台は第二次世界大戦が間もなく終わろうとしている時代、イギリスのとある島にある屋敷です。

そこに住むのは夫の帰りを待つ美しい女性と二人の子供達。そして、新しく雇われた3人の使用人。

二人の子供たちは、光にあたるとアレルギー症状を起こす病気を持っており、屋敷の中は常に薄暗く、母親は厳格で神経質になっています。そのシチュエーションもなにやら薄気味悪く、閉塞感が漂うなかで異変が起き始めます。誰もいないはずの部屋で物音がしたり、閉めたはずのカーテンが開いていたり、人の話し声がするような気配がする。目の前で物が飛んだりするポルターガイストとは違い、危害がおよぶわけではない。見えないけれど気配だけがする、見えないが故の恐怖感がジワジワと迫ってくるのです。

3人の使用人達も何やら胡散臭い様子で、得体が知れません。島の住人達とも隔絶された状況で母親と子供達は追い詰めれれていきますが、そんな時に父親が戦地から帰ってくるのですが・・・。

この映画は、何か事情のありそうな親子の関係や、異変の正体がわからないこと、島・屋敷という逃げ場のない空間での閉塞感が私たちの創造力をかきたて、恐怖心をさらに強くしているのだと思います。

恐ろしい殺人者や未知のクリーチャーが出てくる、破壊される恐怖ではなく、今私たちがいるこの次元とは違う世界が、すぐ隣にあるかもしれないと想像することによる、心理的な怖さを感じた映画でした。

主演のニコール・キッドマンも、ちょっとヒステリックな母親を好演していました。

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