ぼくのエリ 200歳の少女

最後は本当に美しかった

この映画はTVの映画紹介で知りました。大絶賛されていたので怖そうだけど映像がヒヤッとする感じの美しさに惚れて観る事にしました。当時、ラジオで福山雅治さんも映画の感想を述べていたので注目度は高かったと思います。原作者が自ら脚色した意欲作だけあって映画際でも数々受賞。2008年に公開されたスウェーデンで大ヒットし他国でも評判がよかったのをみると、単なるヴァンパイアのホラー映画の枠を超えて作品の評価が高かった事が証明されています。見た瞬間「やっぱり映像が美しい」と一瞬でその世界観に引き込まれました。北欧の寒さがピリッとスクリーンから冷たさを感じさせてきます。その風景に抜けるような白さのオスカー少年。少年の顔と髪型も相まって私にゾクッとさせてくる感じにどきどきがヒートアップしてきます。200歳の少女エリがオスカーの前に現れてきます。少女の設定ですが、子役の黒髪が大人の女性の雰囲気を漂わせて何か始まりそうな予感に包まれます。この辺は監督の子役選びの勝利だと思います。単なる可愛い女の子では子の映画は成り立たないので素晴らしいなぁと感じました。話はどんどん進み二人は距離を縮めていきます。叫び声をあげる恐怖ではないですが切なさの中に何か潜んでいる大きな物が私に押し寄せてきて「いったいどうなるんだろう」と思った瞬間です。是非この映画をまっさらな気持ちで観て欲しいのでネタバレはしませんが、心の中で叫び声をあげました。最後のエリは美しすぎます。愛って深いなぁと大人の私に思わせた純愛ホラー映画です。

怖いけど、切ない

2010年に公開された、スウェーデンのヴァンパイア映画です。

母親と2人で暮らす、12歳の少年。学校ではひどくいじめられ、誰にも相談できず、ひとり苦しむ毎日。そんな時、隣に黒髪の少女が引っ越してくる。少女と話をするうちに、少年は次第に心惹かれていき・・・。

こんな風に書くと、すごくありきたりなボーイミーツガール映画のように聞こえてしまうかもしれないけど、今までに観たことのない、不思議な感覚の映画。少年の純粋さや少女のエキセントリックな様子はファンタジーのようなのに、凍てついた雪の地面に滴る血や、少女の体から立ち上る異臭、それらがやはりこれはホラーなんだと思い出させる。自分の子供のころも、こんなことあったな、としみじみ思いホロリとするシーンと、逆さ吊りにして血を抜き取る惨劇のコントラストが恐怖を倍増させます。

少女はヴァンパイアで、人殺しで、でも自分を理解してくれて心を通わせてくれる唯一の味方。

愛する少女のために、今までの自分の人生を切り捨てるのか、それとも今まで通りいじめられつつ悶々と日常へ戻っていくのか・・・こんな悩み、尋常じゃないですよね?

すごく残虐なシーンもたくさんあったにもかかわらず、観終わってしばらくして、思い出すのは美しい雪のシーンや、少年と少女が心通わせるエピソードばかり。観ているときはキチンと怖がらせてくれて、観た後の後味はとても美しい。こんなホラー映画って、そうそうあるものではないと思います。

「モールス」というタイトルでリメイクされていますが、スウェーデン版のほうが、はるかに美しく、怖ろしい。タイトルに惑わされることなく、ぜひ一度みていただきたい映画です。

音楽に例えたら北欧メロデスみたいな映画

これはジャンル的にはなんなんだろうか?

もしホラーだとしたら今まで観た中で1番綺麗なホラーだと思うが…DVDのケースにはラブストーリーとあるけど吸血鬼が出てくるから少しホラー/スプラッター要素があるので綺麗さと醜さが適度に配置されていて音楽に例えたら北欧メロデスみたいな映画。

映像も綺麗で洗練された感じで、真っ白い雪と真っ赤な血が心に残ります。

北欧の吸血鬼映画と言えば「フロスト・バイト」というB級ホラーがありますが、あちらは純然たるホラーですがこちらは中身は少し悲哀に満ちた恋愛物語。

人物も展開も淡々としているためにあまりググッと盛り上がるわけでもないのでちょっと物足りない気がしました。

まあ、子どもの話だからそんな激情ぶり発揮されても白けるんだろうけど。

主人公が冷静すぎるのがやや難。エリが吸血鬼と分かった時も普通なんだもん。その辺の驚きの感情とか爆発力があればもっと劇的で楽しめたなー(でもそういうのは監督の狙いとは違うんだろう)

あと主人公オスカーの方があまりに女子ぽくて最初パッケージ見た時オスカーがエリだとばかり思ってました。

エリは吸血鬼ぽさは確かにあるんだけど、思った程妖艶な美しさを感じなかったのが難かと(単に好みの問題かもしれないが)

オチ、もっと切ないと思ってたのでやや拍子抜け。

でもあの後2人はどう生きていくんだろう、ていう想像できる終りは良いかな。

余談

やはり北欧及び寒い国、季節の映画(「キッチン・ストーリー」や「ラースと、その彼女」等)の寒さで張り詰めた空気感は好きだなと改めて感じた。

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