冒頭のジョン・カーペンターみたいな音楽がカコイイ。

映画死霊のえじきは」ゴッドオブゾンビであるジョージ・A・ロメロ監督の旧ゾンビ三部作の最終作です。
ゾンビで溢れかえってしまった終末世界。
なんとかゾンビを倒そうと研究を続ける科学者たちと、それを警護する任務を押し付けられた軍人たちが地下施設で暮らしています。
やがて精神が疲れきった人々。
科学者と軍人の間で対立が激化、ついにはゾンビたちがなだれ込んできます。
ゾンビの場面はあまり多くなく、ほとんどが人間たちの対立を描く場面ですが、ロメロ監督のゾンビ映画は大抵がそんな感じですね。
ゾンビはあくまで小道具のひとつであって、本当に描きたいのは人間のドス黒い部分なのでしょうから。
ゾンビを飼い慣らそうと研究するマッドサイエンティストのフランケン博士と、飼っているゾンビのバブの間に芽生える情??が感動的ですね。
それ以外のドラマは割とありきたりだし、突然主人公たちが助かってしまったり、緊張感があるのかないのか良く分からないのがロメロ監督の味なのでしょうか。なんだか、もや~とした感じです。
ゾンビが施設を襲撃してからのクライマックスは、正統派のゾンビホラーしていて良いです。
特殊メイクのトム・サヴィーニの仕事が堪能できます。
いま見ても、けっこうエグいので要注意。まあ、作り物感はありますけどね。でも、直接的な肉体破壊シーンが多めですので、その手のホラーが好きならお勧めします。
冒頭のジョン・カーペンターみたいな音楽がカコイイ。

一貫して飽きずに楽しめる

ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督の描く終末映画。

ゾンビ映画を大別すると、ゾンビが発生しはじめて間もないゾンビ少数派パターンと、ゾンビが発生してパンデミック状態に陥っているゾンビ多数派パターンがある。本作はそのうちの後者。ゾンビが地上を覆い尽くし、数少ない人類が地下にこもっている状況。劇中では軍人と科学者、数名ずつがが共に地下にこもり、ゾンビの研究をしている。

映画の前半は希望をベースに展開していく。ゾンビの研究が進展していく様子を終末の雰囲気を残しつつも描き出す。しかし映画が進むにつれ徐々に絶望の存在感が増幅していく。最終的には人類の唯一の希望であった地下シェルターにまでゾンビが侵入し、絶望感が覆いつくしてしまう。

この絶望感の浸透を独特の雰囲気を持ちながら巧みに表現している。

前半はゾンビが襲ってくるシーンはほとんどないのだが、人間の狂気や所々のスプラッター描写で飽きがこない。後半にはゾンビが襲撃していくるために一気に過激な映像が展開される。この映像がまた素晴らしい。レトロなスプラッター映画らしく、生々しくも美しい描写が連発される。

このように一貫して飽きずに楽しめる映画になっていた。

ただ、少し苦言を呈するのであれば、終盤の展開が早すぎる。ゾンビがシェルターに侵入してからは登場人物が次々に死んでいく。それも大して特別な描写も無く。もっと一人一人の死に方に焦点を当ててほしかった感がある。

まぁ、テンポがいいと言えなくもないが。

ゾンビ蔓延後の世界で地下基地に立て篭る

本作で一番重点を置いて描かれるのは、「ゾンビと人間の共生は可能なのか?」ということ。もはやゾンビ:人間=40万:1になってる世界でゾンビの根絶は無理ゲー。だとしたらゾンビを人間の思うようにコントロールするしかない!ってことで、ローガン博士(リチャード・リバティ)は日夜研究に勤しむわけです。でもあんまり今詰めてやってると頭おかしくなっちゃうよね。「言うこと聞いたからご褒美をあげなくちゃ!」と。ゾンビが最も欲するもの、それは人間の肉。ダメじゃん。そら部下の死体を切り刻んでゾンビの餌にしてたら、ローズ(ジョセフ・ピラトー)もブチ切れるよね。

ローガン博士に飼い慣らされたゾンビのバブ君(ハワード・シャーマン)のキュートさも見所の一つ。特典映像観ると普通のおっさんですが。バブが生前の記憶を思い出したのか、ローズに向かって敬礼したり拳銃の引き金を引いたりするシーンは思わずゾクッとしてしまう。これがラストの伏線にもなってるしね。

完全に悪役扱いのローズさんですが、これもまた会社の中で実働部隊と事務方が喧嘩するみたいで面白いんだよね。部下がどんどん死んでくのに事務方はマイペースだし。今回再見して何となくローズさんにも感情移入しちゃいましたよ。まあ部下見捨てて自分だけ助かろうとするクズ上司でしたが。そして特典映像観るとこの人だいぶピザってました。

映像に関しては30年前の作品とは思えないクオリティ。生きながら身体引き裂かれて喰われるなんて、一番迎えたくない死に方じゃないですか。それをホントにリアルに表現してるのが凄い。

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