パレンケ王の石棺の浮き彫り

パレンケ王の石棺の浮き彫り

英名:The sarcophagus lid of Pacal
パレンケは7世紀に栄えたマヤ文明の古代都市遺跡で、メキシコの世界遺産の一つである。
出土した遺物の中に、碑文の神殿内部よりアルベルト•ルスによって1952年に発見されパカル王の石棺があった。
パレンケの中で最も重要な構造の一つは、パカル・ザ・グレート、K'inich Janaab 「Pakal」(8月28日683 3月23日603)の墓である。
パカルは80歳の歳、8月31日に死亡し、遺体は石灰石の石棺に入れ、石蓋で密封された。
石棺のふたにはレリーフが彫られているのだが、このレリーフがまるでロケットにまたがっているような姿に見えることからオーパーツではないかと話題になった。
石棺の中からは緑色翡翠の仮面をかぶったパカル王の遺体が安置されていた。

・宇宙飛行士のようにも見えるレリーフ
レリーフが刻まれた石棺の蓋は縦3m、横2.1m、高さ1.1m、重さは5トンという巨大な1枚の岩をくりぬいたものである。
パカル王の石棺の浮き彫りだが、横から見るとロケットに乗って操縦桿を握った宇宙飛行士の姿のように見える。
鼻に酸素チューブの様なものを着け、前かがみで何かを覗きこみながら足でペダルを踏んでいる。
機体前部にはまるでコンピューターのようなものが搭載され、尾部のノズルからはロケットの噴射炎のような模様が描かれている。
パカルを乗せたのロケットのような乗り物、よく見ると前方の雲のようなものの中へと突っ込んでいっているようにも見える。
このレリーフによって、古くからマヤ文明が宇宙人によって作られた文明だとする研究家などの根拠とされてきた。
作家のエーリッヒ・フォン・デニケンは、著書『Chariots of the Gods?』(邦訳『未来の記憶』)で「現代の宇宙飛行士がロケットに乗っている絵とそっくりである。このような図柄が、はたして素朴な想像力の産物だろうか? 最下部の奇妙な模様は推進ユニットから噴出する炎とガスを表しているとしか思えない」と述べている。

・謎解き
ロケットの操縦風景にしか見えないこの石棺のレリーフだが、正しくは縦置きで見る。
そもそも石棺が墓室入り口から見て縦置きだという点からもこの事は裏付けられる。

パカルが跨っている宇宙船のようなものは縦にすると十字架であることが確認できる。これは世界の木を中心とした生命樹の図柄のであり、「生命の樹」と呼ばれるトウモロコシを様式化したものだとされており、他の神殿のレリーフでも中心に描かれているものである。
その生命の樹には「双頭の蛇」が絡みつき、頂上にはマヤの聖なる鳥である「ケツァルコアトゥル」(ククルカン)がとまっている。この聖なる鳥は天上の世界を表しているとされている。
前かがみになり胎児のような姿勢をとっているのは、夕日と共に地下世界に下り、そこで新たに生まれ変わるというマヤの考え方によるものであるという。
「死者の世界である地下、神々と先祖のいる天上、その中間である我々人間のいる地上」という『3つの平行した世界』の概念がマヤ文明ではあったのだ。

つまり王であるパカルの再生を描いたのが宇宙飛行士にも見える石棺のレリーフであり、石棺を横にした際にロケットから吹き出る炎のように見えるものは、死者の世界である地下世界を守護している「地の怪物」が大きく口を開け、パカル王を飲み込もうとしている場面が描かれているのである
パカル王は今にも怪物に飲み込まれそうな状態であるが、冷静に天上に向かって伸びる生命の樹と、その頂上にとまる聖なる鳥ケツァルコアトゥルを見つめている。
 

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