ウィニペソーキー湖のミステリー・ストーン

ウィニペソーキー湖のミステリー・ストーン

アメリカ、ニューハンプシャー州中部のウィニペソーキー湖畔で見つかった謎の石。
1872年に湖畔で柵の設置作業中、労働者によって穴の中から発見された。このミステリー・ストーンは労働者の雇い主であるセネカ・ラッドというビジネスマンの所有となり、彼の死後1927年に遺族がニューハンプシャー歴史協会に寄贈した。現在は同協会が運営するニューハンプシャー歴史博物館に展示されている。
卵型をしたミステリー・ストーンの高さが100mmで最大直径は64mm。表面に9個の様々なシンボルが彫刻されている。それは人の顔やアメリカ先住民の円錐型テント、トウモロコシといった具象物だけでなく、円や渦巻き、さらにデバイダーを連想させる絵文字のような記号も見られる。
配置は正面に卵型をした大きな人面像が1個、他のシンボルは小さく、右側面に「テント」「楕円」の2個、裏面には「交差した2つのデバイダーもしくは矢印」「三日月・×印・2つの点を組み合わせた図形」「渦巻き」の3個、左側面は「トウモロコシ」「円内に描かれた意味不明な3つの図形」の2個となっている。数は正面から1、2、3、2の順番で配置されており、小さなシンボルはいずれも上下に並んでいる。
卵型の頭頂部に8つの三角形と円を組み合わせた「歯車」のような図形が刻まれており、その中心に穿たれた穴が下部まで貫いている。穴の直径は上部が約0.32mm、下部が0.95mmと極めて細い。1994年に考古学者が行った穴の分析では、19世紀か20世紀の工具で開けられたものではないかと推測されている。また石質は珪岩で、石英が熱によって変質したものである。
発見された当初、科学月刊誌『アメリカン・ナチュラリスト』に取り上げられ、先住民の部族間で結ばれた取り決めの記念物ではないかとの見解が出された。その後、石が寄贈されたニューハンプシャー歴史協会は1931年にサンダーストーンではないかという意見を発表している。
サンダーストーンとは落雷の痕跡を留めた水晶のことで被雷水晶とも呼ばれるが、世界各地の伝説に登場するのは雷と共に天からもたらされた道具として知られる。アメリカ先住民の間では神からの贈り物と伝わっている。
アメリカの作家B.L.フリーボーンはミステリー・ストーン各部のサイズや角度、シンボルの数と配置には隠された意味があるという説を唱え、古代文明のミステリーを描いた著書『ザ・ディープ・ミステリー』の中で分析している。フリーボーンによるとミステリー・ストーンから読み取れる数字は、地球や太陽の大きさと比率が一致しているという。
15世紀にヨーロッパ人が征服する以前のアメリカ大陸には、高度な暦を作り出した中米のマヤ文明とアステカ文明のみに文字が存在した。南米のインカ文明には紐に結び目を作り数字を表す「キープ」は存在したが文字はなかった。ミステリー・ストーンが出土したアメリカを初めとする北米では、先住民の部族が各地に散在するのみで国家は生まれず、絵文字に類するものもなかった。
また青銅器や鉄器といった金属製の工具は、アメリカ大陸のどこにも存在しなかった。
アメリカの古代文明には金属器を使わなくては造りえないと思われる不可思議なオーパーツが数多くある。ウィニペソーキー湖のミステリー・ストーンもその一つだが、類似の遺物は他に例がない。いつ頃誰が作ったのか、使用目的、製作方法など一切不明である。

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