オゴメ

【概要】
オゴメ(嗚込、御声)とは、日本の東京都三宅島に伝わる妖怪である。
東京の三宅島でいう、山の怪物のことで、怪鳥だとも、姿が見えないともいわれている。

【特徴】
夜中、森や山中から奇妙な鳴き声がする事があるという。その声は赤ちゃんのぐずった泣き声に似ており、どこからともなく聞こえるが、その姿を見た者はいないとされている。
三宅七怪奇の一つとして怪談のネタにされているが、三宅島に新しく住む住人の大半は眠れない夜が延々と続き、大変不愉快なことから我慢できずに引っ越してしまうそうだ。
また、この鳴き声を「オゴメ笑い」と呼び、特徴的で奇妙な高笑いをするともいう。

【正体】
姿の見えない謎の妖怪「オゴメ」だが、延宝時代の怪談『諸国百物語』や民俗学者である大間知篤三の『神津の花正月』の研究などによると、その正体は以下の説が提唱されている。

1.ゴイサキ説
ゴイサキは夜行性であり、飛翔しながら不愉快な声で鳴くことから、オゴメの正体ではないかとされている。また、ある者が正体を見極めようと刀で斬り落としたところ、その正体は大きなゴイサキだったという。

2.猫の発情期説
発情期を迎えた雌猫の鳴き声は、赤ん坊の夜泣きのようであることから、単に三宅島に住む野良猫たちが盛っているのがオゴメの正体ではないかとされている。

3.産女(ウブメ・ウグメ)説
江戸時代には、難産で胎児を宿したまま亡くなった妊婦の亡霊が怪鳥となり、未練と恨みの鳴き声だけが夜じゅう飛び回っているという説がある。下半身を血で染めて、夜空を泣き飛ぶと記されている。この産女については後述にて別途記載する。

4.木霊説
姿を人に見せることはなく、樹の上から赤子の鳴き声が聞こえてくる事で、木霊(木の精霊)の一種とされる説がある。

上記のような諸説があるが、実際に見た者はいないため真相は定かではない。

【類例】
産女説に出てきた産女とは、先に記述した通り出産の際に命を落とした妊婦が、鳥の妖怪となったものである。どのようにオゴメと共通しているかというと、中国には妊婦と関係のある「姑獲鳥(こかくちょう)」と呼ばれる鳥の姿をした神様がいる。それが日本に伝わった際に混同し、姑獲鳥を「うぶめ」と読むようになった。産女を鳥として扱う地域はいくつかあり、(茨城県のウバメトリ、三宅島のオゴメ等)それらは中国の姑獲鳥由来だと言われている。
また、民俗学者・大間知篤三の著書『神津の花正月』でのオゴメは、別称をウグメとされている。延宝時代の怪談集『諸国百物語』にある「靏の林、うぐめの化け物の事」によれば、京の都の林に夜な夜な「うぐめ」という化け物が現れて赤ちゃんのような声で泣いたと記されている。
他にも愛媛県では、夜更けに川岸から赤子の声が聞こえる怪のことを指してウブメといい、 北九州では船幽霊のことをウグメという。日本民俗学の創始者・柳田国男によれば、産女の多くが浜や渚に現れることが多かったがために混同したのでは、と述べている。

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