和歌山県本宮町出身の知り合いから聞いた話。

本宮町に九鬼という地域がある。九鬼からさらに奥に行くと、「八木尾」という集落があるが、ここは元々「八鬼尾」といったらしい。
その昔、八木尾の集落に、九匹の鬼が夜な夜なやって来ては、田畑を荒らし、家畜を喰らい、女子供を攫うなどの悪さを働き、里人を困らせていた。
そこで、永春という土地の郷士が退治に出かけ、名刀でもって、八匹の尻尾を切って倒した。最後に残った鬼の命乞いを聞き入れ、倒した八匹も命は助けてやった。
それから永春は鬼達をこの土地に連れてきて、山の上で一緒に酒盛りをした。
命を助けてもらったお礼に、九匹の鬼達は次のことを約束した。
・今後、この地には雷を落とさない。
・今後、この土地の者には、決して蛭が食い付かないようにする。

こんなことがあって、後にこの地は、九鬼と呼ばれるようになった。

永春と鬼達が酒盛りをした山は、九鬼に今でも残っているそうです。
この鬼達は、尻尾が強調して語られており、今の我々がイメージする姿とは少し違ったのかもしれません。

はと様
怖い&コメントありがとうございます。
我々のイメージするような、人型ではなかったのかもしれないですね。 地名の発生には色んな伝説が絡む場合もあり、興味深いです。
永春たちが酒盛りした山はまだ残っており、鬼達の尻尾を埋めた塚もあるそうです。
どうもありがとうございました。

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鬼に尻尾。意外ですごく興味深いです。
土地の名前には昔からの由来が隠れていたりしますよね。面白いです。命を助けた鬼と酒盛りをする永春さんも豪快でなんか素敵ですね。
その場所を訪れてみたくなってしまいました。

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鏡水花様
怖い&コメントありがとうございます。
尻尾のある鬼というのは、私もあまりイメージが沸きません。鵺のようなものかな?
地元の昔話を聞くのは、今でも続けてます。毎回発見があります。
どうもありがとうございました。

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珍味様
怖い&コメントありがとうございます。
そうか、勢力争いという解釈は確かにあり得ますね。気付きませんでした。
和歌山は九鬼姓が結構多いらしいですが、歴史と紐付けるとはかどりますね!ありがとうございました!

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鬼に尻尾…が、私の貧相な想像力では浮かんで来ないのですが、どんな姿だったのか、見てみたい好奇心がメラメラww
本当に…shibroさんも仰っていましたが、私の身近にも岩崎さんのお祖母様やお母様みたいな方が居たら、もっと情緒豊かに育ってたのかもしれない(T ^ T)

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九鬼と言えば九鬼水軍。まさに今の三重県から和歌山県にかけて活動していた一大勢力ですしね。版図拡大を続ける中で、地場の勢力の強い抵抗に会って和睦を余儀なくされたというストーリーにも見えますし、歴史と絡めて読んでも面白いですね。

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ttttti様
地名由来譚は全国各地に残っていて、興味が尽きません。合併なんかで地域の名前が消え、地名の起こりだけでなく、昔の地名すら忘れられていくのはとても寂しいと思います。
コメントありがとうございました。

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岩坂トオルさん
昔噺としてかなり興味深い物語ですね。
語り部が減る中、こういった伝承は後世にも残していきたいものですね。
良いお話をありがとうございます。

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shibro様
コメントありがとうございます。
知り合い曰く、地元では有名な話らしいです。
こういう話がもっと世に出れば良いのに、と思います。

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そんな伝説が・・・
本当に興味深いです。

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