短編2
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拝啓、ラッキー君。

拝啓、ラッキー君。

君が死んでから、早10年が経ちます。

天国でも元気でやっていますか?

10年前、君が生きていた頃は、毎日が笑顔で溢れていたね。

旅行にも行ったし、遠くまで散歩したりしたね。あの時のラッキーの笑顔が忘れられない。

でも、ちょっとイライラしただけで「こんな、バカ犬いらない!」って何も悪くないラッキーにやつ当たりしてしまったね。

どんな事をしても、ラッキーは我慢してくれたね。「やめて欲しい」とどれだけ思ったか僕には、未だに分かりません

でもねその頃幼かった僕には、ラッキーが死んでしまうっと言うのは思ってもみなかったんだ。

いつも元気だったラッキーは、急に倒れて病院に連れっていったんだ。

お医者さんに、

「ひどい腎臓ガンです。長くは生きられないと思います。」

って言われたんだ。

ラッキーは目を開けたまま、動こうとしないし息をするのも苦しそうだった。

僕と僕の家族は、ラッキーに生きて欲しいから毎日のように病院に通ったし、注射器で液状のご飯を口から流し込んだりしたんだよ。迷惑だったよね。

でも、あの日ラッキーは逝ってしまった。みんな泣いたんだよ。ラッキーにたくさんの水滴が落ちたんだよ。もう一度、目を覚まして元気な顔で尻尾をふって欲しかった。

ラッキーには聞こえるはずないのに、

「ごめんね、ごねんね」

って言い続けたんだよ。

ラッキーを焼いてしまう時は、もっと泣いた。ずっと泣いた。夜も泣いてた。

「もうラッキーには、会えない。ラッキーの元気な顔は見られない。」

って思って、すごく後悔した。何でもっと優しくしてやれなかったのだろう。

でもね、今は2人の家族が増えてラッキーのように後悔しないように頑張ってる。だから、ラッキーはいつでも見守っといてね。

5月30日は君の命日。ラッキー、もう泣かないよ。でも、僕が本当に悲しそうだと思ったら、夢に出てきてね。

ラッキー、ありがとう

これからも、よろしくね。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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