短編2
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お爺ちゃんと幽霊

私、「姉」という者です。

心霊系と言えば心霊系だと思うのでちょっと書いてみる。

私が高校生の頃、お盆にお爺ちゃんの家に行った時の話。

お爺ちゃんは1人暮らし、田舎の一軒家に住んで居る。

いつもは明るく人懐っこい笑顔のガッツ石松似のお爺ちゃんだが、この時は様子がおかしかった。

どうも居間の窓から庭の木をチラチラ見ている。

まるで何かに怯えている様だった。

が、どうしたの?と聞いても「なんでもねぇ。」としか言わない。

そう言っている間も庭をチラチラと見ていた。

皆で昼食をとって居た時、私の母が我慢出来ずに問い詰める。

母「父さん!どうしたのー?

庭気にしてー、なんかあったのかい?

言ってくれないば気になるわー。」

爺「いやー、怒んなやー。

盆だから仕方ねぇのかも知れないんだけどもよー。

一昨日見たんだわ。

ウォーリーが庭に居んのよ。

おっかなくてなー。」

その場にいた親戚一同がきょとーんとした。

正に鳩が豆鉄砲。

母「ウォーリー…?

探してるの…?」

爺「探してねぇよ!おっかねぇ!

あれ、テレビで言ってるべやー。

成仏出来ないばウォーリーになって彷徨うんだべ?」

全員同時に噴き出した。

浮遊霊です。

お爺ちゃんの中では

浮遊霊

ふゅうれぃ

ふぉーれぃー

うぉーれぃー

ウォーリー

として記憶していた様だ。

そして、数日前にチラッと庭に見えた人影の様な物に怯えていた様子。

お盆だからお婆ちゃんだったかも知れないよ、と言うと

爺「あー、そうか!

ウォーリーと間違って悪い事したなー。」

その後ウォーリーを見る事もなく、お爺ちゃんも怯えなくなり無事お盆が終わった。

お目汚し失礼。

-終-

怖い話投稿:ホラーテラー 姉さん  

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