短編1
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寝るのが怖い

一ヶ月程前のことです。友人が最近おかしな夢をよく見ると言いました。

なんでも、知らない女の人が暗い森の中を一人で歩いていて、あちこちの木の枝にはたくさんの首吊り死体がぶら下がっているんだそうです。

腐りかけたのもあり、新しいのもあり、その気持ちの悪い首吊り死体の下を女の人は身じろぎもせずひたすらまっすぐ歩くのだそうです。友人は同じ夢を頻繁に見たそうです。

そして、何度目かに見たとき、その女性は椅子の上に乗ってこれから首を吊ろうとしている人の目の前で立ち止まりました。

友人はその人の顔を見て心臓が飛び出るほどビックリしたそうです。

それは彼自身でした。

彼は足元の椅子を蹴ることを躊躇していましたが、その女の人が椅子を蹴り倒し、彼の両足が空中に投げ出される瞬間で夢が覚めたそうです。

そしてそれっきりその夢は見なくなったそうです。

その友人が、つい先週、自動車事故で亡くなりました。

もちろん偶然かもしれません。ただ彼の死を知らされる前日の夜、私は彼が言っていたのと非常に良く似た夢を見ました。

暗く鬱蒼とした森の中を白いワンピースを着た女の子が歩いているのですが、木の枝からたくさんの首吊り死体がぶら下がっているのです。

そのなかに友人の遺体もありました。もう何度も同じ夢を見ました。

実はもう三日も寝ていません。夢を見るのが怖いからです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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