短編2
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地獄夢?其の2

目が覚めた

服は汗でびっしょりだった

(なんだ夢か…)

安堵からか横に寝転る

ゴンッ!!

「痛っ」

冷たいコンクリートに頭をぶつけた

俺の家はコンクリートじゃない

一気に血の気が引き飛び起きる

完全に目が覚め辺りを見回す

またあの部屋なのか?

自然と体が震えた

すると、

「俺さっきも此処にいたんだよ、D(俺以降Dとします)何だよ此処」

震える声ですぐに振り向いた

体をガクガク震わせるYがいた

俺は不思議とYに

D「怖いけど夢だから覚めるって」

Y「だと良いよな」

いつも強いYが泣いてた。

泣き顔なんて小学生以来見た事なかったなぁなんて思った

立ち上がりYに近づいた時だった

また別の部屋から聞こえる

もの凄い悲鳴、悲鳴、悲鳴

何かが壁にぶつかる鈍い音

鉄を引きずる様ないやな音

不気味な笑い声と叫び声

夢だと言いきかせていても体は震え、鼓動が早く、汗が垂れる

唾を飲み込み

震える足に力を入れ歯をくいしばる

Y「どうする、どうする、逃げ道、逃げ道は」

ただひたすら暗示の様に言っていた

俺達はこの部屋に逃げ道がない事を知っている

D「ここはダメだ!扉は一つしかないから、そこからとにかく逃げよう」

意を決して扉に近づきドアノブを握り勢いよく重い扉を開けた

視界に映った光景は

最悪だった…

後悔した…

夢なら早く覚めろと心で何度も叫んだ

泣き叫ぶ者

部屋の住みで抱き合い怯える者

足を切断され助けを乞う者

腹を切られ出た内臓を掻き集める者

男、女、子供容赦なかった

俺は涙が止まらず震えていた

酷すぎる

いったい何が起きてるのかさえ分からない程だった

だがそいつらは直ぐに俺達に気付いた

茶色にボロい布の様な物を纏い

口元は赤黒く、クチャクチャ音を立て肉を食らう

目は瞳孔を開き瞬き一つしない

大鎌を持ち、錆びたノコギリを引きずりケタケタ笑う

妻と子に会いたい

また一緒に…

Yと笑いながら酒を呑みたい

またいつもの日常に…

こんな時自分の弱さを痛感する

だがYは違った

凄い叫び声を上げて

鉄パイプの様な物を持ち

そいつらに向かっていった

D「Yーっやめてくれーっ」

叫びも虚しく

一瞬だった

悲惨な光景に涙で滲んだ

俺は崩れる様に膝をつき

泣き叫び天井を見上げた

頭に鈍い衝撃と共に視界は暗くなった…

長くなってしまい本当にすみません。続きます

怖い話投稿:ホラーテラー 匿さん  

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