短編1
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独り暮らし

独り暮らしを始めたばかりの頃の話

荷物の整理も終わり独り暮らしを満喫していた

満喫と言っても部屋でゴロゴロしてるだけである

数日たったある日

いつも通りゴロゴロしていると

ガチャ

突然玄関の開く音がした

(ん?誰だ?)

そう思った瞬間

バンッ

ドアの閉まる音だ

(隣の人が間違えて開けちゃったのかな?)

あまり気にしなかった

うちのアパート入り口はオートロックだ

だから油断して玄関の鍵を閉めないことが多かった

次の日

また同じことが起こった

(またか。間違えるなよ)

次の日は鍵をかけておくことにした

(これで開けれないだろう)

だが…

また同じことが起こった

鍵はちゃんとかけたはずだった

なのに開いていた

次の日

トイレに行こうとしてその光景を見た

鍵が…ゆっくりと回っていく

俺は咄嗟にチェーンロックを閉めた

ガチャ ガンッ

隙間から女がこちらを見ていた

いや見えていたかはわからない

女には眼球がなかった

目の部分は窪み真っ黒で血の涙を流していた

『ち…が…う…』

バンッ

女はそう言うとドアを閉めた

俺は息をするのを忘れるほど硬直していた

あれ以来必ず鍵をチェーンロックまでするようにしている

幽霊に鍵の意味があるかは謎だが

ちなみに引っ越してはいない

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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