短編2
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オカン

俺は自分で言うのもなんだが…モテる。顔も上の中はいってるし、身長も183cmあるし、運動神経も良い。だから、当然俺のファンも大勢いるわけなんだが…一人困った奴がいるんだ。ストーカーって言うのかな?俺の家の玄関前まで来たり、家に電話かけてきたり(番号どうやって知ったんだよ…)。

でさ。可愛い子だったら速攻抱いちゃうわけ。今までに可愛い子50人以上抱いたし、昨日の夜も1人新しい子を抱いた。流石に避妊はしたけどね。俺、子供出来たらその女と絶対結婚するって決めてるから、そこは慎重にやらないとね。その時のゴムは、今朝のゴミ袋に入れて捨てたよ。

で…話し戻るけど、そのストーカーはさ…お世辞にも可愛いとは言えないのよ。でさ、俺も初めはシカトしときゃあ、其の内諦めるだろうとか思ってたのよ。所がどっこい、逆にストーキング行為が激しくなっちゃった。家のインターホン何べんも鳴らすわ、留守電には「何で私を見てくれないの?」とかメッセージ入れたりするわ…。

んで!!今、深夜3時なわけだけど…今もいるのよ。ソイツが、家の玄関前に。ボーっとっ突っ立ってんの。流石の俺もさ、一人暮らしなわけで…怖いんだよね。つーか、不気味って言った方がしっくりくるかな。だってさ、俺今2階にいるんだけど、ずーっとこっち見て突っ立ってるんだぜ!?

もうマジ面倒いからさ、2階の窓からソイツ目掛けて紙を投げてやったよ。“俺がお前と結婚するなんて、俺とお前の子供でも出来ない限り無いよ。諦めろ。”て書いた紙をね。アイツ、それを読んだらさ、諦めたみたいで帰っちゃった。マジ救われた気分だよ。

は~あ。あのキモイストーカー女が消えてからもうどれ位経ったかな。10ヶ月くらいか。もう2度と会いたくね~…て思いながら外のファミレスでタバコふかしてたらさ、いるわけ!!ファミレスの直ぐ外に。そこからこっち見てんのよ。んでどんどん近づいてくるの!!その女が!!

俺は死を覚悟したね…。でもさ、俺の覚悟とは裏腹にそのストーカー女、俺の向かいの席に座ったのよ。あれ?何か普通じゃん?って思ったね。…でさ、その女何か抱いてんの。

「何抱いてんの?」って聞いたらさ…「貴方と私の子よ」だって!!ふざけんなって思ったね。だって生まれるわけ無いじゃん?やってないんだから。俺が女にそう聞いたらさ?なんて言ったと思う?

「あなたの使用済みコンドームを私の中に入れたの。」だって。10ヶ月前、俺が紙を投げた時…帰ったんじゃなくてゴミ袋漁りに行ったんだな…。この女が俺の子供の“オカン”になるのか…そう思った時、俺はかつて無いほどの“悪寒”を感じたね。

怖い話投稿:ホラーテラー 最愛さん  

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