短編2
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教室の鏡

この話は怖いというよりちょっと不思議な話です。

私が小三のとき使っていた教室には鏡があった。

その鏡は教室のドアの横に、釘で直接壁に打ち付けられていた。

ちょうどA4のノートサイズくらいの大きさで、装飾もなにも無い何の変哲もない鏡。

だけど、他のクラスにはそんな鏡なかった。

私はなんだか少し得した気分だった。

小学生といっても、女の子は少しずつ髪型とか気にしだす歳頃だから、ときどきその鏡で自分の顔とか髪型とかをチェックしていたりした。

当時、私は3,4人の友達といつも一緒に下校していた。

私達のグループはいつも教室に最後まで残っておしゃべりをしていた。

その日も、いつもの通り私達は最後まで教室に残っていた。

廊下からも他の生徒の声が聞こえてこなくなっていた。

「そろそろ帰ろうか」

そう言って私達は教室から出ようとした。

友達は私の前を歩いていたから、必然的に私が一番最後に教室から出ることになった。

教室を出るとき、私は何気なくドアの横にある鏡を見た。

すると、鏡に映った自分の顔の横に、同じクラスの男子(C君としよう)が映っているのが見えた。

位置は私よりかなり後ろの、教室の奥の窓のあたりC君は立っていた。

しかもC君は顔を真っ赤にして泣いていた。

私はびっくりして後ろを振り返った。

だけど、もちろん教室には誰もいない。

C君が何処かに隠れている様子もなかった。

「なにしてんの?」

教室からなかなか出てこない私に、他の友達が話しかけてきた。

「ねぇ、今日Cって誰かに泣かされてた?」

私がそう聞くと、友達の一人が、「そういえば給食のときにCが泣いてたね」と言った。

そこで、私が今見たことを話すと、友達は私がC君を好きだからそんなものを見たのだと言ってからかった。

私は別にC君のことは好きでもなんでもなかったし、C君が給食の時に泣いていたことだってそのとき初めて知らされた。

むきになって否定すると、ますますからかわれて、そのまま鏡のことはうやむやになってしまった。

鏡に映っていたC君はとてもくっきりしていたし、見間違いとも思えなかった。

だけどそのとき、私は別にその鏡が怖いとも思わなかった。

まぁ、そういうこともあるかと、子供ながらに納得していた。

その後、C君に不幸が―――ということも無い。

怖い話投稿:ホラーテラー snowさん  

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