短編2
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スイッチを押す者

「また出たわ。ほんっとしつこい。」

駅の近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいたときに、たまたま俺の前の席に女子大生くらいの女の人二人が座った。その時聞いた話を話したいと思います。

「はあ?出たって何が?」

「ああ、あんたにはまだ話してなかったけ。いやね、最近新しいアパートに引っ越したんだけどさあ。そこでへんなことがおきるわけよ。」

「ふーん。何よそれ。」

「いやね。別にたいしたことじゃないんだけど。あたしがシャワー浴びてちょうどシャンプーしてるとき、いっつもバスルームのスイッチが落ちるのよ。ねっこわくない。」

「それたんに電気の故障とかが問題じゃないの。ホラあんたいっつもクーラーつけてるのに扇風機もつけたりしてるから、それでブレーカー落ちたことが何回かあるでしょ。きっとそのせいよ。」

「あのねえ。あたしだって、それからちゃんと気をつけてるわよ。それより、いや私もそういう電気関係うんぬんかと思って入浴する時間をずらしてみたりしたのよ。」

「その時間になったら、勝手に電気が消えるようになってるかもしれないからね。」

「そう。でもぜんぜんだめ。いくら時間をずらしても、やっぱりシャンプーしてるときに限って電機が消える。おかげでおとといはリンスと石鹸間違えて髪がぱさぱさになったわ。」

「へえそりゃ悲惨ね~。ん?おととい。」

「そうここからが本題。私もいい加減頭にきて、後で大家に怒られるのを覚悟でバスルームのスイッチを板と釘で固定したの。消せるもんなら消してみろって。

そしたらなんとシャンプーを終わらすことができたの。なんかすっきりしたわ。そしていざリンスに取り掛かろうとした時よ。

バスルームの壁一枚後、ろつまりあたしの後ろにスイッチがあるの。そこからバキバキガンガンガンバキって音が聞こえたの。

多分あれは金具かなにかで無理やり板を破壊する音だったと思う。あたしかなりびびっちゃって、まさに金縛り状態だったわ。

しばらくして、音がおさまったの。そしたらまた電気が消えた。あたしはもう怖くて怖くてリンスと石鹸また間違えちゃったわ。おかげで今日も髪は、ぱさぱさ。」

「・・・あんたそれマジ?」

「マジよマジ。だからちかじか親と相談してあそこを引っ越そうと思うの。こんなこと警察に話しても相手にされないことは分かってるからあえて通報はしなかったわ。ああほんと最悪。あっちなみにお風呂から上がった後、スイッチを見てみると見る影もないくらい、ボロボロにされてた。」

いやあ十分大事件だとおもうのだが。俺は内心で突っ込みを入れた。彼女がなるべく早く引っ越しができるのを願ってます。

怖い話投稿:ホラーテラー メアさん  

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