中編2
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赤目の猫

大学生の頃、ぼろいアパートの二階に入居した。それは友人をして

『次に震度4が来たら倒壊する』

と評されるほどのぼろいアパートだった。

友人達の酷評ばかり目立つアパートだったが、俺は気に入っていた。

入居者は、少なく静かで、なによりも、窓から見える裏の平屋廃屋の苔の生えた屋根瓦が、おもむきが有りなんとも言えなかった。

そんな廃屋は、俺がアパートに入居してから一年弱年で取り壊されてしまった。

一週間位でもののみごとに更地に。

古い友人を無くしたようで暫く落ち込んだっけ……。

暫くして、その空き地で近所の独居老人が野良猫に餌付けをしてしまい、瞬く間に猫の集会場になってしまった。

夜になると集会場では猫達による会話が毎晩繰り広げられた。最初は煩いと感じていたが、寂しい夜なんかには眺めているだけで癒されるように。

酒をちびちびやりながら、猫の会話を聞く事が毎日の楽しみになった。

そんなある日、奇妙な猫が紛れ込み始めたのに気がつく。

日によって変わるが、月明かりに反射する銀色の眼の数から、だいたい10数匹の猫がいることが推測された。

その中で一際大きく血のような真っ赤な眼を持った猫が……。

そいつが来ると集会場は荒れた。悲鳴にも似た鳴き声を周りの猫はあげた。まるで助けを求めるかのように

――ニャーニャー

ある日、ふらりとうちに立ち寄った友人にその事を話した。

『裏の廃屋は昔、母親が一家五人を惨殺した現場なんだぜ――――』

友人は神妙な面持ちで語ってくれた。図書館で過去の地方新聞を調べてみたが事実と判明。

母親には、精神病院の通院歴が有り、原因はそれではないかと記載されていた。

そして、近所への聞き込みの結果、母親は自分を猫だと思い込み周りに迷惑をかけていたという。

自分の中で次第に赤目の猫は、この世の者ではないという考えで煮詰まる。

――肌寒い晩のことだった。俺は半纏を羽織り、片手にライトを携え、自室に待機しし、その時を待った……。

――フニャーフニャー

集会場が荒れ始めた……

奴が現れた!

急いで階段を駆け降りる。

ドアを開け放ち、玄関を右に出て、タバコ屋の角を右に曲がり、古い選挙ポスターが貼ってある角を右に曲がり、

集会場に着いた。肩で息をしながら暗闇を凝視する……

そして、ライトで一際でかいそれを照らした……

『プシャープシャー』

(`・ω・)ノシ

えのきじじぃである

野良猫達と縄張り争いの真っ最中だった。

俺は余りの恐怖に失禁しながら絶叫して、アパートに逃げ帰った……。

後日談だが、えのきじじぃは縄張り争いに敗れ、いなくなった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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