中編2
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虫の知らせ

私の父が若い頃に

体験した話しだそうです。

父は高校三年間、新聞配達とパン屋のバイトをして自分の学費を払っていました

両親が病気持ちだったので長男だった父は、高校卒業と同時に大阪に出稼ぎに出て、毎月毎月弟の学費や家族の生活費を仕送りして、自分で使える分はほとんど無かったそうです。

そんな父は今でも、弟(私からいう叔父さん)からとても尊敬されています。

大阪で仕事をこなし、父は、九州のブロック長?(九州全ての県を任された人)になり、支店のある福岡に引っ越しをしたんだそうです。

新しく出来たばかりのマンションで父は1階でした。

そこに引っ越してきて、何日が過ぎたある日の夜。

そろそろ寝ようかなと布団に入り眠ろうとすると…

ドタバタドタバタ…

天井から何かが走るような音がするんだそうです。

近くにあった時計を見ると1時を廻っていて、

「こんな夜中に誰や」

とくらいにしか

思ってなかったそうです。

翌朝、管理人さんがフロアーを掃除していたので、

父「昨日夜中に上の階から走るような音がうるさかったんですが」

管理人「あ、すみません。ちなみに何号室ですかね?」

父「102の●●ですけど」

管理人「えっ?202と203はまだ誰も入居してないんだけどね」

父「えっ?だったらネズミかなんかが走ってたんでしょうかね」

管理人「いいや、それもないね〜」

新しく建てたばかりのマンションにはペンキを塗った際にガスが発生するらしくて、数年間は小動物は入ってこないらしいのです。

首を傾げながら、父は会社に出勤し、席に座っていると…

上司「●●くんちょっときなさい」

上司が大声で父を呼ぶそうです。

上司の元へと向かい、用件を伺うと、

上司「お母さんが危篤だそうだ、急いで病院に向かいなさい」

父は急いで車を飛ばして、実家の近くの病院に向かったそうです。

するとそこには衰弱しきってるお母さんがいて、手を握って何度も何度もお母さんと呼んだそうです。

すると、

お母さん「●●かい?今まで苦労ばっかかけたね、弟の面倒まで、ほんとごめんね」

と涙を流しながら、父に小さい声で話すそうです。

お母さん「お母さんね、もっと頑張ってあんたらの面倒見てやりたかった」

そう言い残して、一人天国へ旅立ったそうです。

それからお通夜、葬式が執り行われ、全て終わり

弟とお母さんの話しをしたそうです。

兄貴が病室に来るまでお母さんは一回も目を開けなかったこととか…

兄貴に会えてお母さん幸せやったやろなとか…

父は昨日の夜の事が気になり、

父「お母さん何時くらいに危篤やったんか?」

弟「夜中の1時くらいやったんやないかな」

昨日の足音はお母さんの危篤を知らせる虫の知らせだったのかもしれない、

そう父は思ったそうです。

読んでいただきありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 金の微糖さん  

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