短編2
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押入れの住人と

今日僕は祖母の引越しの手伝いをしました。

祖母は僕と同じ団地の1階下に住んでいます。祖母はもう随分歳なので3階から別の棟の1階に引越す事になりました。(足腰弱いので)

僕と母が行った時には先日から父が運んでおいていた電動ベッドがあるだけで後は何も無くガランとしていました。

すると父が「この部屋お化けがおるばい」と言うのです。

確かにこの時期なのに部屋はとても涼しく…と言うよりうすら寒く何かがる気配を感じました。勿論それは母も感じていたらしく「この部屋すかん(嫌い)」と言っていました。

そして父が「こっちの部屋の押入れにおるやろ~?」と言うので僕と母はその問題の押入れを覗いてみました。

僕は霊感があり割とよく霊を見るのですぐにいる事が分かりました。(母は感じるが見えない)

その押入れの上の部分には二十代後半から三十代前半くらいのボブヘアーの女性が体育座りをして入っていました。そして下の部分には五~七歳くらいの子供(恐らく男児)の骸骨が上の女性同様体育座りをして入っていました。

その霊は骸骨の男児の方はそれっきりだったのですが、女性の方は見る度にいるのです。それも僕が見ているとこちらを見ているのです。恐らく興味がある訳では無いとは思いますが…。その視線がとても不気味なのです。

これは僕の予想ですが、上の女性と下の男児は親子だと思います。

しかし僕は、それを気にしつつも引越しの手伝いをしていました。

しかし怖いのはこれだけではありませんでした。

僕が電動ベッドに寝そべった時にふと天井を見た時に老婆の様な顔から肩のあたりが見えたのです。その老婆は痩せ形で肩幅が広く白髪混じりの髪を束ねて目を瞑っていました。

これも僕の予想ですが、この老婆は以前にこの部屋に住んでいた住人でこの場所で亡くなったのだと思います。その後見てもその老婆の顔は見えませんでした。

僕はこの事を母に話しました。母はその老婆と押入れの二人は無関係だろうと言うのですが、僕にはこの三人は祖母、娘、孫の関係だと思うのです。

もうすぐその部屋に祖母が住むので少し心配です。何も影響が無ければいいのですが…。

怖い話投稿:ホラーテラー 閃さん  

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