中編3
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霊感親子

私は小さい頃、母譲りの霊感とやらがあったらしく、常に母と同じモノを見ていたそうです。

大人になるにつれ、ハッキリ見える事は無くなりましたが、覚えている限りの昔話をお話しさせて頂きます。

昔家族で狭い家に住んでた頃、深夜3時になると必ず現れる六歳ぐらいのオカッパ頭をした女の子や、私のベッド足元に突然現れるおじいさん。

食事の時に現れる知らない男性など、他にも沢山の霊達が狭い我が家をウロウロしていました。

父は深夜3時に現れる女の子しか見た事が無く、いつも母や私の視線に怯えていたそうです。

ある日、いつも通りの日々を過ごしていると、何故かぼやけて霞む場所がありました。

そこは、天井と横壁の境目でした。

なんだ?と思って、目を凝らして見ていたら、突然母が私の頭を叩き、真っ直ぐ私の目を見て言いました。

「見たらダメ!アレはこの先見たらダメだよ!」

と言いました。

何なんアレ。と聞くと、母は

「多分…鬼門をもう一度繋げる為に出て来たナニかだろうね。とにかく人間は関わら無いに限るんだよ。」

…その時、母にもナニかのナニは完全に分かっては居なかったんでしょうけど、それが余計に怖くて、私は見えても見えないフリをしていました。

そんな日々が続いたある日、

いつも現れるおじいさんや女の子達が出て来なくなりました。

私だけが見えて無いのかも、と思い、母にも尋ねましたが、やはり母にも見えないらしく、成仏したのかなぁなんて笑いながら言うと、母は難しい顔をしました。

それから暫くは家に霊が出ない静かな日々が続きましたが、私が9歳の1月17日、阪神淡路大震災です。

逃げ出す住人、倒れる住人、マンション内はパニックでした。

暫く経つと少しなら家に戻って良いと許可が出たので行ってみると、家のあらゆる物が定位置には無く、1番酷かったのが、私が寝て居たベッドの足元にあった大きな箪笥が、まるで主かのように私のベッドの上に寝て居た事です。

「霊達が居なかったらアンタぺちゃんこだったんだよ。」

母の言葉に聞き返すと、地震が来る少し前に、すっかり消えたと思った霊達が姿を見せて、皆して私の上や横に居て、私の寝顔を見て居たそうなのです。

とっさに母は、私が連れて行かれると思ったみたいで、父を何故か起こし、私の上に「連れてかないで!」と叫んで覆いかぶさったそうです。

そして地震が起きて、箪笥が倒れて来て父と母が盾になって守ってくれたそうなのです。

だけど、私は分かってたんです。母達には言わなかったけど、あの時、金縛りにあってた事。本当は私を連れて行きたかったんだって事…。

現実では有り得無い力が私の動きを封じて、息が出来なくなって、何故か寂しいと感じた私は、霊達が助けたんでは無いと確信して居ました。

それから暫くして、私達はそのマンションから引っ越ししました。

新しいマンションにも居るんだろうけど、その頃には私に見えるという事が無くなっていました。

母には申し訳無いけど、呪縛から解けたと思っています。

何年もして、テレビでニュースを見てる時、昔住んでいたそのマンションが映りました。

「神戸市中央区………中学生……」

えっ?何?

音量を大きくして聞くと、

明石市の中学生カップルがマンション屋上から飛び降り心中したと報道されて居ました。

男は即死、女は生きているそうですが、自殺現場は紛れも無く私が住んでいたマンションでした。

私は、あの霊達がおびき寄せて、あの場所であの世に連れて行ったんだと思っています。

その飛び降り自殺の前にも、飛び降りた人が居たらしいですから。

それに周りにも飛び降りる場所なら沢山あったのに、何であのマンションだったのか、今だに説明がつきません。

私のお話はこれで以上です。

余り怖くなくてごめんなさい。また機会があれば、投稿させて下さい。

失礼します。

怖い話投稿:ホラーテラー 咲っちょさん  

  

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