短編2
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私の思い出

私が小学生の時の実話を一つ投稿します。

私の小学校は校則で学年によって自転車で遊びに行ける範囲が決まっていました。

1、2年生は自分の家がある地区内のみ、3、4年生は校区内、5、6年生は無制限、という感じに。

この校則は話には特に関係ないんですが、当時私は三年生になったばかりで、今まで行けなかった友達の家に毎日遊びに行っていました。

その日は日曜日でした。

いつものように同じ地区の友人と二人で別の地区の友達の家に遊びに行っていました。

遊びに夢中になって、いつの間にか17時を過ぎており、特に門限はなかったのですが友達とそろそろ帰ろうかという話になりました。

友達の家から私の家までは自転車で20分ほどで、ちょうど中間地点に私達が通う小学校があり、グランドを横断すると近道でよく利用しており、その日も通ることにしたんです。

校門を抜け、駐車場に車がないことから、先生がいない事を確認しました。

前に自転車でグランドを走りまわり怒られた奴がいたので、グランドに自転車の跡が残ると問題になるし自転車から下りて押して歩いていました。

グランドに入ってすぐにふと後ろを振り向くと、眼鏡をかけた長身な男がついてきているんです。

一瞬、先生かな?と思いましたが車は一台もなかったし、全く見たことのない男。

日曜日の学校に見知らぬ男。気せいか段々男の足音が早くなっている気もする。

怪しさと恐怖心から友達に自転車に乗って急いで帰ろうと言い、自転車にまたがった瞬間。

男が走り出したんです。

こっちに向かって。

捕まったら殺される。

頭のなかはパニックでした。

段々男が近づいてきて、もう駄目だという瞬間に校庭を突き抜け道路に出ました。

途端に男は立ち止まり、こっちをジーッと見つめてるんです。

男から30メートルくらい離れたところで男に警戒しながら息を整えました。

自転車を全力でこいだのと恐怖とで、なかなか息が整いません。

そんな私達とは裏腹に男は息一つ乱さずこちらを見ています。

何故か男はグランドから出てこないんです。

私達はホッとしました。

息も整い、男がもう追いかけて来ないと思った私達は帰ろうと男に背を向けました。

ダダダダダダダダダダ!!

男が走ってきている。

振り向く余裕もなく

「逃げろー!!」

と私が叫んだ瞬間

ガチャン!!

隣を走る友達の自転車のチェーンが切れたんです。

切れたんです。

怖い話投稿:ホラーテラー ガバナさん  

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