短編2
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私の思い出 (続き)

すいません。続きです。

あのまま話を終わろうと思ったのですが、あまりにも中途半端だし私自身も納得がいかなかったので。

というのも、実はあの時チェーンが切れたのは私の方なんです。

近所のお兄さんに貰った物で、かなり古いマウンテンバイクだった気がします。

逃げるのに必死で気が動転していた私は、いきなりチェーンが切れた反動に耐えられず、バランスを崩し転倒しました。

こけた痛みよりも恐怖しかありませんでした。

人気の少ない道で夕暮れ時、小学生が大の大人に立ち迎えるはずもなく、ただただ震えていました。

ふと気づくと、男の走る音が聞こえません。

少しホッとしながらも、恐る恐る男の方へ振り向くと男はいませんでした。

なんて都合の良いことはなく、私が恐怖で逃げれないと思ったのか男はゆっくりとこちらに向かって来ます。

ニヤニヤと笑みを浮かべて。

一瞬ホッとした自分に腹が立ちましたが、その苛立ちも一瞬で絶望が飲み込みました。

すべてを諦め泣いていると、男の後ろの方から賑やかな話声が聞こえます。

ふと見ると学校帰りの高校生数人がこっちに向かってきているんです。

この時は神様にどれ程感謝したことか。

高校生を見た男は早足で横道へ去って行きました。

高校生達は私が自転車でこけて泣いているんだと思い、声をかけてくれたんですが、何故か今までの出来事を打ち明けれず、

「大丈夫です」としか言えませんでした。

なんとか無事に家には帰れたんですが、親にもこのことは言えませんでした。

今考えると何故言わなかったのかよくわかりませんが、とりあえず無事帰れたのでまぁよかったです。

ただ

私がこける瞬間の私を見る友人の冷たい目。

泣きながら助けを求める私の声に振り向きもせず消えていった友人の後ろ姿。

これらは今でも私の目にしっかり焼き付いています。友人が見えなくなった時は、ショックと恐怖で声すら出ませんでした。

更に次の日、何食わぬ顔で登校してきた友人を見た時は本当に裏切られた気分でいっぱいでした。

今でも悲しい思い出です。

怖い話投稿:ホラーテラー ガバナさん  

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