短編2
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夕暮れの駅で

 夕暮れ時、駅のホームでの話。

 赤字続きで廃れたローカル線の駅のホーム。

私はベンチに腰掛け電車が来るのを待っていた。

 日はすでに傾き、あたりは夕焼けで赤く染まっている。

ホームには私の他に1人、サラリーマン風の男性が白線に沿うように立っているのだが、

その顔は夕日による逆光線でぼやけ、はっきりしない。

 ふと時計を見る。次の電車まであと五分。

手持無沙汰にあくびを堪え、ただ、なんとなく時間が過ぎるのをまった。

 しばらくすると電車がゆっくりとホームに入ってきた。

 待つという行為は、いつでも時間の流れを遅く感じさせるものだ。

だからだろう、私はベンチから立ち上がろうとすると同時に腕時計を確認した。

…針がおかしい、壊れたのか、電池切れか。

さっきと同じ時刻、次の電車まであと五分。

いつから止まっていたのだろう、慌ててホームの時計を確認した。

何故だろう、この時計も到着予定時間には五分ほど足りてない・・・。

ダイヤが乱れているのだろうか?

サラリーマン風の男性が電車に乗り込むんで行く。

車掌が乗らないのかとばかりにこちらを見つめている。

何故だろう、廃れるばかりのこのローカル線で、なんでこんなに人が乗っているのだろう。

 私はこの状況になぜか恐怖していた。

そしてそのままベンチに座り直すのだった。

 そこで私の目が覚めた。

どうやらベンチで寝ていたらしい。

いやな夢を見たものだ。

 ふと時計をみる。

電車が来るまであと一分。

 まもなく電車が見えてきた。

 視線をずらすとサラリーマン風の男性が立っている。

夕日に染まってぼやけた顔が、

ぼやけているはずの顔が、何故かその時はっきり見えた。

 男は遠くを見ていた。その顔はとてもうつろだった。

そしてその男は電車が入ってくる線路に向かって・・・。

 

 

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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