短編2
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ポルターガイスト現象

これは今も現在進行形で、私が体験している話です。

私は現在お付き合いをしている彼氏がいます。

その彼の家が、出るみたいなのです。

彼の家は一軒家で、以前はそこに一家全員で住んでいたそうなのですが、

他に新しく家を建て、

現在では彼が一人で住んでいます。

数ヶ月前、その彼の部屋で一人寝ていると、なんだか視線を感じました。

彼氏が私の顔を覗き込んでいる

そう確信し、「ちょっと、見ないでよ」と言いながら目を開けました。

しかし、そこには誰も居ませんでした。彼は、少し離れたところにあるソファで、テレビを見ていたのです。

(…気のせいかな?)

その時は、そのくらいにしか感じませんでした。

次の異変は、洗面所で起こりました。

顔を洗おうと、お湯を出し、目を瞑り、顔を洗う。

一度お湯を止め、石鹸を泡立てる。

再度お湯を出す。

何の変哲もない言動なのですが、再度お湯を出したときに、異変に気付きました。

熱湯が出てきたのです。

私は軽く火傷をしました。

温度調節のレバーが、グルリと最高温度に達していました。

それを気に私は、

この家はおかしいのではないかと思うようになりました。

ついさっきまで使っていたものが、突然無くなり、探すと隣の部屋から出てくる、ということもありました。

そして極めつけは、

外出から帰ると…

枕がザックリと裂けていたのです。

それも、私の枕だけ。

彼の枕はいたって変化無し。

そこで更に怖くなり、私は姉に相談しました。

「…その家の間取りって、どうなってる?」

一通り離し終えると、姉はそう聞いてきました。

なんで間取り?

と思いましたが、何度も聞いてくるので、軽く説明しました。姉はヒッと息をのみました。

姉は言いました。

「凄く怖い夢をみた」

と。

そこから、姉は

彼の家の間取りを

話し出しました。

窓の位置、部屋のつくり、階段の絨毯の色までも言い当てました。

もちろん、姉は彼の家に来たことはありません。

そして姉は最後に、「一番奥の部屋が怖かった」と言いました。

「日本人形がいて、その部屋に居られなかった」と。

確かに、私もその部屋が不気味でしかたがありませんでした。

ですが、日本人形なんて見たことがありません。

そこは当たってないなあ、と思いつつ、私は帰宅しました。

そして彼に一連の話をしました。

「ある」

彼の顔は青ざめていました。

「その人形、出していないだけで、おしいれにある」

彼の言う日本人形の特徴と、姉の言う日本人形の特徴は、一致しました。

背筋が凍る

という表現をしたのは、これが初めてでした。

私はその日から、彼の家に行くのを避けています。

長話を最後まで読んでいただいてありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー ねこさん  

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