短編2
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御左口 1

僕が小学生の頃、夏休みに一度だけ遠縁の親戚の家に泊まりがけで遊びに行った。

山々に囲まれた、自然が残る田舎町。

年の近い親戚の子供達(AとB子とする)が僕(セリフはCとする。僕=C)の遊び相手兼世話役となった。

僕達は3人で外へ遊びに出かけた。

B子「ねぇ~、どこいこっか?」

A「行きたいとこがある!!」

B子「駄目っ!!」

A「まだどこか言ってないよ」

B子「言わなくてもわかる!!

絶対行くなってパパもママもおじいちゃんもおばあちゃんもみ~んな言ってたでしょ!!怒られるの嫌だもん!!!」

見知らぬ土地でAとB子の2人に会って間もない僕は黙って様子を窺うしかなかった。

A「バレないって!だって誰も行かないから見つかりっこないよ。せっかく来たC君にも見せたいんだ!!」

C「いったい何の話なの?」

B子「知らなくていいよ!!

Aはまだ年下だからわかってないの。

危険なとこだし、行って祟られたら舌取られるんだよ!!

C君とは他のところで遊ぼうよ」

A「そんなの大人が嘘ついてるんだ。

去年のクリスマスにサンタさんにお礼言おうと思って、母ちゃんに内緒で必死で起きて待ってたんだ。サンタが部屋に来たと思って起きたらサンタの正体は、じいちゃんだった!!俺は騙されたんだ。もう信じねぇ!!だから行っても平気だって。C君もそう思うよな??」

C「う~ん、わかんない。何もなかったらわざわざ注意するかな?」

B子「そうだよ。C君の言うとおりだよ。アンタ(Aのこと)のクリスマス事情は知らないし関係ないよ!!」

A「それなら俺1人で行くからいいよ~だ」

B子「お母さん達にバラすからね!!」

A「勝手に言えば、この裏切り者。

もうそんな脅し、怖くないもんね~」

Aは1人で別の道へ入って行った。

C「A君が行っちゃうよ。もし何かあったら1人で行くほうが危険じゃないかな?ついて行ってあげようよ」

B子「…ハァ~…わかった。今回だけね。終わったらAのやつにたっぷりお仕置きしてやる!!!」

B子の据わった目がマジだった。

Aに追いつく僕とB子。3人で目的地を目指した。

徐々に草木の生い茂る道へと進む。

草木の中をしばらく歩いて目の前に現れたのは、金網のフェンス。

奥には線路がある。

A「よっしゃ、それじゃこの金網を今から越えよう!」

C「ちょっと待って。本当に大丈夫?」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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