短編2
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御左口 2

A「昔は蒸気機関車が通ってたらしいけど、今は使われてないから平気だよ」

C「登ってどこ行くの?」

A「俺も行くのは初めてなんだけど、この先のトンネルに行くんだ」

C「何しに行くの?」

A「ここは、みんなが絶対入ったらいけないって言ってるトンネルがあるんだ」

B子「昔から入ったら祟られるって言われてて、トンネルで起こる祟りが原因で閉鎖されたって噂なの。祟られると舌を切られたり、正気じゃなくなるんだって。だから絶対行くなって地域の大人がみんな注意してくるのに…」

A「行ってみないとわかんないよ。

俺とB子の学校は全校生徒が12人なんだけどさ、みんな真面目なのか素直なのか噂話を信じてびびってるんだ。誰も一緒に行こうってやつがいなくて困ってたんだ。俺もう我慢出来なくなって、今日はどうしても行くんだ」

僕は話を聞いて怖くなった。

C「なんかよくわからないけど、怖いから行きたくないよ」

B子「C君も嫌がってるじゃない。やめよう」

A「やだね。ここまで来たんだもん。

C君の学校って、怪談話ある?トイレの花子さんとかさ」

C「うん、あるよ。学校で真夜中に出るって噂」

A「実際に見たことある?」

C「ないよ。夜中に学校行かないし」

A「俺の学校も噂だけで、何もでない。だから噂は嘘なんだよ。だからトンネルも平気だって」

A君の話でなんだか少し落ち着いた。

そして金網を登ってフェンスを超えた。線路の上をAを先頭に、次いでB子と僕の順で一列になり、トンネルを目指す。

この空間に人は僕達3人しかいない。

妙な静寂が恐怖心と緊張感を生み出す。A君とB子も同じように感じたのか、足下にある石ころを拾い上げ、石を遠くに投げたりしながら気を紛らわせていた。

しばらくすると静寂を打ち消すように、烏の群れが「クワァクワァクワァクワァ!!!…」と忙しく激しい鳴き声がこだました。

まるで僕達を威嚇しているようだ。

目の前には、ぽっかりと開いた大きなトンネルが見えていたので引き下がるわけにはいかない。

しかし僕達は入り口手前で思わず足を止めて息を飲んだ。

入り口付近はトンネルへの侵入を頑なに拒むように烏の黒い羽が無数に敷き詰められていた。

まるで黒い絨毯。

それは異世界との境界線のようだ。

B子がA君と僕の服を引っ張る。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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