短編2
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御左口 5

A「うわっ!!!…

…あれ?…2人ともいつの間に来たの?びっくりしたよ、脅かしっこなしなし」

C「話しはあとでするから、早くここ出て帰ろう!」

B子「そうだよ。

私達Aのわがままに付き合ったんだから、もう帰るよ」

A「わかったよ」

ドンッ…ドンドンッ!!

まるで床を激しく踏んだような音が天井から鳴った。

B子「何の音?」

C「何か天井にいるのかな?」

B子「やだやだやだ!!」

A「そういや、外から見たよりこの中って天井低くない?」

C「そうだ。それじゃあ天井裏に何かいるかも」

…ガタッ……………とっさに音の鳴った天井を見上げると、天井板が一部外されていた。

そこからヌッと顔が飛び出した。

「わぁああああああああああ!!!!」僕達は一斉に叫んで逃げだした。

通気口からトンネル内部に出て、なおもがむしゃらに走る。

B子は懐中電灯を持ってなかったので、躓いて転んだ。

僕とAは振り向いてB子を起こした。

A「大丈夫みたい。後ろ何もいないよ」

C「B子ちゃん大丈夫?」

B子「うん、あ~怖かった」

「おいっ!!!

お前たちいいから走れ!!早くこっちこい!!早く!!!」トンネル入り口から大きな声がした。

そのとき視られてる気配を感じとった僕達は、直感的に上を見た。

…ズルッズルズル…トンネルの天井には、あの家の天井板から覗いていた限りなく人に近い顔で、体のラインはまるでツチノコ。皮膚は蛇そのものであった。その体をうねらせながら天井を這いずりながら僕達の真上に近づいていた。

「ぎゃあああああああああ!!!!!」僕達は更にトンネル中に響く大きな悲鳴で叫びながら全力で駆け抜けた。

「もっと速く走れ!!食われるぞ!!!」

ようやく外に出ようとしたとき、その直前で天井からぶら下がるようにして襲いかかってきた。

考える暇もなく僕達はしゃがむことしか出来ない。

“もう駄目だ!!”と観念すると、頭上でシャクシャクッと金属音が鳴った。

「ほら、今のうちに出なさい!!!!」見上げると修行僧のような装束を着た男が目の前に立っていて、僕達を食べようとして開けたヤツの口を錫杖で必死に食い止めてくれていた。

シャクシャクッと鳴っていたのは食い止めている際の、錫杖に伝わる振動が遊環を擦ったときの音だった。

僕達は隙をみてようやくトンネルの外に出た。

外では巫女さんが4人で何かを懸命に唱えている。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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