短編2
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御左口 6

するとさっきの男の人が弾き飛ばされるようにトンネルから出てきた。

男は立ち上がり、巫女さん達と一緒に唱えだす。

しばらくすると唱えが終わった。

男は神社の神官であるが、少林寺拳法の有段者でもあったため錫杖を所有していた。

神官はA君を見るなり「手に持っているのを見せなさい!!」と言った。

僕とB子は神官に注意されるまで気づかなかったが、A君が持っていたのは寄木細工で造られた、からくり箱の一種であった。

「祭壇に奉られていたのを盗ったのか!!それで解いたのか?!箱の中身を見たのか?!正直に答えなさい!!!」

切羽詰まった緊張感が漂った。

A君は神官の迫力に泣きそうになりがら頷いた。

「箱を渡しなさい!!」A君から受け取った箱を調べると

「あぁ…なんてことを!!!君達も(僕とB子)中身を見たり触れたりしたのか?!」

僕とB子は首を横に振りながら見ても触ってもいないと言った。

「この子達を急いで神社に連れて行きなさい。

親御さんにも連絡とって来てもらうように」と巫女さん達に伝えていた。

僕達は神社に着くとすぐにお清めを受けた。

それが終わると白衣に着替えさせらて、お祓いが始まった。

お祓いの途中で突然「うぎゃああああああああ!!!!!」とA君が絶叫と共に悶えだす。

「いってぇえ!!!痛いよ痛いよ痛いよ痛いよ痛いよ!!!」

巫女さんが2人がかりで懸命に暴れるA君を抑える。

すると白衣がはだけたA君の体の皮膚から徐々に鱗が生えてきていた。

神官は白衣を脱がせると、A君の体に酒を吹きかける。

酒が滲みたのか、より激しく痛みを訴えて暴れる。

神官は素早くA君に当て身をする。

気を失ったA君に更に酒を浴びせ続けた。

それから巫女さんが体を包帯巻きにされると、A君を抱えてどこかへ連れて行かれた。

僕とB子のお祓いはなんとか無事に終わった。

「さて、今から重要な話をしなければならない。覚悟して聞いてほしい。君達も見ていただろうがこのままでは彼(A)の命は確実に失われる。夜になると君達が見たモノがトンネルから出て、必ず箱の中身を取り返しに現れて彼を確実に連れていく。そうなったら彼は終わりだ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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