短編2
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関係無いはず!

ものごころついた頃には、自分が普通じゃないと気付いていた。

小さな頃から周りの皆が見えない者が見え、不思議な体験も沢山した。

生首に見つめられたり、生首に励まされたり、生首に慰められたりした。

授業中は、頬っぺたに矢がささった落武者がうろうろしていた。

鎧がガチャガチャうるさくて、先生の話が聞こえない。

どうして私だけがこんな目にあうのか?

本気で悩んだりした。

……というより、今悩んでいる。

祖母からこの話を聞いたのは、確か小学校5年生の時だったと思う。

「ばぁちゃん!家の前にまた変なのいる」

「あぁアレか。大丈夫、悪いことはしないから」

「でも、怖い」

「大丈夫、大丈夫。この村にはとっても強い神様がついてるから、悪いことはできないんだよ」

昔々、この村には蛇龍神様なる神様がいた。この神様は村を守り、雨を降らせ、禍を予言し、村人達に丁重に奉られていた。

そしてこの神様からのお告げを聞き、村人に話すのが巫女の役目だ。巫女は神様の声を聞く為、神様の為に生きなければならなかった。

その巫女の子孫が私達なのだと、ばぁちゃんは言っていた。

「恵馬(私)は、時代が時代なら巫女さんだったかもしれないね。」

私はまだ蛇龍神様を見たり感じたりしたことは無いが、私は昔々の巫女さん達とかなり共通点があるらしい。

なんでも、家系の女なら誰でも巫女になれるわけではない……というより巫女になる為の女が産まれてくるといった方が正しい。それほどはっきりと違って産まれてくる。

何が違うかというと見た目だ。

全体的に色が薄いのだ。

肌も白い、茶色の髪の毛に若白髪。そして目。黒目の部分が灰色に近い。

私の前は祖母のお姉さんがそうだったらしい。

自分でいうのもアレだが、かなり怖い。

今は目はカラーコンタクトレンズで黒くし、髪の毛は染めているが。

さて、私の悩み事の話に戻ろうと思う。

今の私の悩み…ズバリ、彼氏が出来ない。

出来ても長続きしない。

1番最初の彼氏は高校生の時だった。

その彼は私とのデートの帰り交通事故にあった。

歩道に蛇がでてきて、それを見ていたら車に突っ込まれたそうだ。幸い彼も運転手も軽い怪我で済んだが、その話を聞いて何か嫌な予感がして彼とは別れた。

2番目の彼はちょっと霊感のある彼だった。

私と付き合いだしてすぐ、変な夢を見るようになったらしい。大きな蛇に丸飲みされる夢。彼は、

「絶対お前に何かついてる」

そう言って私をお祓いに連れて行った。

しかし、今度は蛇に絞め殺される夢を見たらしく、お前とは付き合えないと言われた。

その後、何人かと付き合ったが1ヶ月以上続いたことが無い。

そういえば、祖母のお姉さんも生涯独身だったと聞いた。

28歳、処女。

私の人生、色んな意味でホラーだが、蛇龍神様とは関係無いと思いたい。

怖い話投稿:ホラーテラー 恵馬さん  

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