中編3
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轢殺

これは二年か三年前の話。長距離トラックの運転手をしているんだけど場所は北海道の道央。あんまり詳しくは言えないけど国道と国道の間に結構大きな川がある所があるんだ。もしかしたら分かる人もいるかもね。その日はなかなか大変な日で、時計を見ると既に夜中の2時を回ってた。眠い眼を擦りながら煙草ふかしてたわけさ。「早く札幌で荷物降ろして帰りてえなぁ…」ってさ。で、片側一車線なんだけど一級国道だもんだから基本的に一本道。本格的に眠くなってきたから仲の良かった同僚と携帯で喋ってたわけさ。まぁ札幌までまだ70、80kmの所。

下らない話をしながら100km/h前後で快調に走ってるとダンプやらトラックが連なって50km/h前後で走ってるわけさ。普段なら五台連なってようと多少無茶してでも捲りに行くけどその日は満載だった。重すぎてさすがに危険だと思った。しばらく走って「くそっ」

我慢出来ずに平行して走ってるもう一本の国道に抜けてやろうと思った。今考えたらここが間違えだった。

走ってる国道から右折しまた快調に走り始めた。細い道で曲がって直ぐに民家があったきりで外灯もなく他は畑や空き地さ。なんだか気持ち悪い気はしたけど同僚と電話していた事もあって特に気にせずに走ってると橋が見えてくる。道も狭いがさらに橋は狭い。しっかりした橋なんだけどトラックだと真ん中を走らざるを得ないような幅なんだよ。高さや長さは結構なもの。まぁ一度か二度は昼間通ったことがある。しかし向かいから対向車が来た事なんてなかった。その時も「大丈夫そうだな」

そう思ってアクセルを踏んだ。橋の4割程度まで来た所で急に約5メートル先に叔母さんが立ってたわけさ。俺は昔から少し霊感があって直ぐに生きている人間ではないと分かった。どの道ブレーキ踏んでも間に合わなかったし、何よりも止まるのが怖かった俺はアクセルを踏んだんだ。丁度、助手席側のミラーに当たるか当たらないかでおばさんは消えた。俺は無言だったけど怖かったから「もしもし?…あれ?」ちらっと携帯を見ると圏外。いつも携帯やら無線で話しながら走ってるから分かるが圏外でもおかしくない場所だった。おかしな事ではない。

たった一つを除いて。

トラックの助手席のミラーには前方の死角をみる為のミラーと後方を見る為のミラーが付いているんだけど前方の死角を見る為のミラーに叔母さんが覗き込む形で映ってた。

心底怖かった。

その時に電話で話してた同僚に話したところ、後日ラジオの怖い話みたいな企画で営業のやつが俺とほぼ同じ内容の事を話してたらしいです。親父も長年ドライバーだからもしかしたらと思い、話したところ結構有名な話らしく、どうやら近所の農家の叔母さんが痴呆か何かで夜中に徘徊癖があったみたいで橋の上で轢かれて川に落ち亡くなったそうだ。暫く見つからずに行方不明だったみたいだが。知っている運転手は絶対通らないそうです。

怖くはないかも知れないけどホントにあった話。

怖い話投稿:ホラーテラー ドライバーさん  

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