私が中学生の頃
オリエンテーリングと称した合宿行事がありました。
地図とコンパスを片手に目的地まで辿り着く
といった簡単なもので、コンパスが壊れてもまぁ大丈夫
というような道のりなのですが、途中ニ岐に別れた道があり
片方は一般の登山道
片方は樹海をくぐりぬけて目的地につくルートです。
目的地はツーリングで来るようなスポットなのですが、ルートが樹海すれすれを通るルートというアクティブな行事でした。
一応ニ岐の樹海ルートは閉鎖になっているから大丈夫だし、先生を配置しておくから大丈夫!と説明を受けいざスタートするも
そのニ岐の場所に近づけば近づくほど
コンパスがバカになっていくのです。
クルクル回ったきり止まらず
「学校のコンパスはちゃっちいねー」
と笑いながら進んでいくと
先に出発したチーム達がニ岐の場所でガヤガヤと騒いでいるのです。
全員のコンパスが本来のルートではなく樹海ルートを指し示すコンパスに動揺し立ち止まっている様でした。
「先にすすみなさーい!」と先生が誘導する中
皆樹海ルートを覗き(草や木で到底進むのが困難な感じでした)先を目指すといった感じでその場は無事に終わった様に見えたのですが、
目的地で暫くまっても
1チーム帰ってこないのです!
ざわついていると泣きながらそのチームが帰ってきました。
とりあえず宿に帰るとなり
帰ってきたチーム達は泣きながらバスに乗せられ先生の横に座らせ
私達生徒とは喋らせてくれませんでした。
そして宿につき
皆早めの風呂に入らされその間迷子チーム達は先生に話をしていたみたいで結局事情を聞けたのは就寝際でした。
「ねぇねぇ?なんであっちにいったよ?」
「コンパスさしていたし……話声したから…」
「話声?」
「キャーキャーってはしゃぐ声したしこっちかなって。周りに生徒いなかったから…」
「………」
「なんか変なロープとかあって最悪だったよ…」
翌年からその行事はなくなりました。
周りに生徒はいなくても先生が居た筈なのになぜそのチームは行ってしまったのでしょうか?
彼女が聞いた キャーキャーと言った声はなんだったのでしょうか?
そして、そんな樹海の近くの薄気味悪いルートを下見しにいった先生達は何も思わなかったのでしょうか?
怖い話投稿:ホラーテラー さくさくさん
作者怖話