短編2
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異様な車内

平日の昼下がり。彼女と一緒に宇都宮線直通の湘南新宿ラインに乗りました。

先頭車両に乗ったのですが、すぐに異変に気づきました。

平日の昼間ということもあり、席はガラガラです。それなのに車両の一部に20人くらいの人が固まっているのです…。そこだけが満員電車のようになっていました。

「おかしい…」

余りに不自然な光景に私の目はその集団に釘付けになりました。

「見るのやめなよ…」

彼女はその集団から漂う殺気だった空気を感じとっていたらしく、震えていました。

この電車は宇都宮〜逗子という長距離を結ぶため、停車駅は限られています。

そのため次の駅に着くまでの時間が場所によっては20分くらいかかります。

私はひたすらその集団を観察しつづけました。皆…何かに取り憑かれているような虚ろな顔をしています。

私も不気味な雰囲気に怖じけづき始め、目を逸らそうかと思ったその時でした。

その集団の中心に白い足がうごめいているのが見えました。

自分の目を疑いました。

しかし「嘘だろ…」という私の思いを裏切るように、次の瞬間白い臀部もうごめいているのが見えたのです。

私には分かってしまいました…。

あの集団がなんのか…

アダルトビデオの撮影…!

集団の殺気だった雰囲気に「何をやってるんだ!」なんて言える訳もなく、ただ「痴漢ものは、あんな風に撮ってるのか…」と変に感心しつつ次の駅で車両を変えることしか出来なかった…

怖い話投稿:ホラーテラー Ssさん  

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