短編2
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鏡に映る・・・

とある学校の階段の踊り場に、全身が映る程大きな鏡があった。

放課後に一人でその鏡の前に立つと、幽霊が映るという噂があった。

私はその日、部活で遅くなった。

携帯をいじりながら歩いていたせいか、気付けば噂の鏡の前に居た。

何か違和感がある。

夕暮れのオレンジ色の日差しの中、私と重なるように人がいる。

光の加減で自分が二重に見えるんだろうか。なんて思いながら、通り過ぎようとした。

私が動いたら、ソレは居た。

さっきは自分が二重に見えるだけだと思ったんだけど、私が動いてもソレは微動だにしなかった。

自分と同じ制服を着た、半透明の少女がいた。

ただ、そこに立っていた。

ただ、そこに立って、静かに泣いていた。

なぜか、怖い感じはしなかった。

彼女から目が離せなかった。

そんな不思議な時が一刻、、彼女は鏡に映る自分をゆっくりと指さした。

そして、夕焼けにとけるように消えて行った。

その後も鏡に映る幽霊の噂は続いていたが、私が彼女を見ることは二度となかった。

こんな不思議体験も忘れかけたある日、学校統合が行われ廃校になった母校が解体された。

踊り場の鏡の後ろの壁から、制服を着た女性の遺体が発見された。

何年も昔に、行方不明になっていた女生徒の遺体だったそうだ。

彼女は自分がいる場所を必死に訴えていたのでしょうか。

女生徒が失踪した同じ頃、ひとりの男性教師も行方不明になっていた。当初、駆け落ちしたのではないかと噂されたが、程なくしてそんな噂も忘れ去られた。

後に、その男性教師は指名手配されるが、いまだ捕まっていない。

生きているのか、それとも・・・

*フィクションです*

怖い話投稿:ホラーテラー 零さん  

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