短編2
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除霊

私は今日車の免許をとった。大学が夏休みに入り良い機会だと思い親からお金を借りて教習所へ通った。

筆記試験で数回落ちてしまったが何とか合格することが出来た。

家に帰ると父親に車の鍵を借り車に乗り込んだ。

やはり教官がいない運転いいなと思いながら車を走らせる。

幸い後続車もなく迷惑をかける心配もない。

気がつけばかなりのスピードが出ていた。

そして急なカーブにさしかかった時だ。

あ!

ブレーキをかけずにハンドルをきったため曲がりきれず車線をはみ出し向かいの草むらに突っ込んでしまったのだ。

急いでブレーキを踏む。

ドンと鈍い音がした。

やってしまった。

車を降りて確認する。

ゾッとした。

ぶつかったのは地蔵だった。

地蔵はぶつかった衝撃で倒れヒビが入っていた。

とりあえず家に帰る。もちろん父親にはこっぴどく叱られた。

そして不吉な事が起きないかという私の予想は見事に的中してしまう。

次の日高熱が出た。

そしてそれは何日たっても治らなかった。

きっと地蔵を倒したせいだ・・・。

ある日事情を知っている弟が、

「一度見てもらおう」

と言い出した。

弟の友人の紹介である神社へむかった。

神社の前には長い階段があった。

病人にこれをのぼらせるのかと思った。

階段をのぼりきり本堂へ入ると一人の女性が私達を迎えてくれた。

女性に今までの経緯を話すと女性は

「原因はその地蔵です。」

といった。

そして私達を別室へ連れて行き除霊を始めた。

除霊が始まって数分ある事が起こった。

除霊をしていた女性が

「ヒィ!」

と情けない声を上げその場に座り込んでしまったのだ。

そして女性は立ち上がるとさっきより声を大きくして除霊を再開した。

なんだったんだ・・・。

「うわああああ!」

今度は何!?と思い振り返る。

突然後ろに座っていた弟が悲鳴をあげ部屋から飛び出して行ったのだ。

何か嫌な予感がし、除霊中だったが急いで弟を追った。

弟は本堂を飛び出すとあの長い階段をかけ降りて行った。

後を追いかけ階段の下を見た。

弟が階段の一番したで倒れていた。

急いで階段を降り弟を見た。

頭から血を流しピクリとも動かなかった。

頭の中が真っ白になった

なんで……。

後からきた女性が行った。

「貴方に憑いていた霊が突然貴方から離れたかと思ったら弟さんに取り憑いたのです……」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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