短編2
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山姫7

6の続きです。

気づいたら、朝だった。

陽の光が窓が差している。

昨夜とはうってかわって快晴だった。窓の外は朝露が滴っている。

なんと僕らは気を失ったのかどうかわからないが、とにかく寝ていたのは確かだった。

夢だったのか‥?

時刻は朝6時。

僕は慌てて皆を起こした。

すると皆、

「昨日のは‥なんだったんだ」

‥どうやら夢ではなかったらしい。僕らは慌てて帰り支度をし、急いでS小屋を飛び出し下山した。

昨日の雨のせいで地面はぬかるんでいたが、そんなものはおかまいなしに皆、夢中で下山した。

とにかく、一刻も早くこの森から出たかった。

すると一番最初に立ち寄った山小屋を見つけ、僕らはそこに飛び込みオーナーに全てを話した。

するとオーナーは

「生きてて良かった‥生きてて良かった‥!」

と僕の手をぎゅっと握り、僕らは安堵からか腰が抜け、その場に座り込んでしまった。

オーナー「実は‥おれのところにも来たんだ。」

僕らは唖然とした。

その日、雨風が激しくなった為、山小屋で一晩過ごしたらしい。

僕らと同じ様な目にあったと言うのだ。

オーナー「こんな事‥初めてだ。一晩に山姫を大多数が目撃するなんて。何か胸騒ぎがする。君達、おれと一緒に山を下りよう。今すぐにだ。」

そう言うと僕らは山を下り、ふもとの食事所で休息した。

オーナーは一度家族のもとに帰るらしく、一旦別れた。

B「しかし‥なんだったんだろうあれ。やっぱり山‥」

C「もうよせよ‥。とにかく無事で良かったよ。もう帰ろう。」

A「そうだな‥思い出したくもねぇ。」

暖かな豚汁をすすろうとしたその時

ゴゴゴッ‥!!!

鈍い地響きが鳴り響いた。

地震か!?

僕は一瞬そう思ったが、外の森の光景を目の当たりにした時、それは違った。

土砂崩れだった。

それも大きな岩も転がってきて、地面にドンッドンッと落ちる。

あっという間に森のふもとは土埃にまみれ、外から悲鳴があちこちで響く。

僕らは訳が分からず店から出た。

ひどい光景だった。

車は潰れ、隣接していた建物や民家は土砂に埋もれていた。巻き込まれた人も何人かいたようだった。

その日のことは新聞やニュースで大きく取り沙汰された。

怪我人はわずか26人、行方不明者3人という多大な被害が、この土砂崩れの大きさを物語っていた。

8に続きます。

怖い話投稿:ホラーテラー ケンジさん  

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