中編3
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笑い

大分前の話だが

ある芸人の怖い話を思い出した。

俺が先日体験したのと全く同じ話でかなりぞっとした。

俺を含む4人で某公園の近くの友人のマンションに酒を買って宅飲みをしようとした夜。

その日、すっげぇ生暖かい気持ち悪い日だった。

その公園通ると近道で、その時は4人で向ってたし、何とも思わなかったんだ。

家に着いてさっそく飲み始めて、2時間くらい経った所でつまみがなくなって、誰かが買い出しに行くことになってじゃんけんしたんだ。

俺とKとYとJ。

結局じゃんけんに負けたのはKとY。

俺とJは二人を見送ってまた酒を飲み始めた。

大分酔いが回ってきて、夜中にやってるつまらん深夜番組みながら他愛のない話してたらKとYが帰ってきた。

二人とも大分息があがっている。

心成しかKは震えていた。

Y『こいつさあ、公園に入った途端にいきなり走り出してよぉ』

俺『何だよ?公園にお化けでも出たか?』

笑いながら言う俺にKが掴みかかってくる。

俺はびっくりして酒缶をひっくり返した。

K『俺…俺…見たんだよ!信じてくれ!』

Kはかなり動転しているようだ。

J『…もしかして、ブランコか?』

Jが険しい顔をして尋ねる。

K『あっああ、こんな真夜中に、いかにも幽霊ですって感じの女が居たよ…その証拠にYは何にも見えてなかったろ!?』

Y『いや、俺はお前が急に走り出したから何が何だか』

俺『落ち着けって。J、ブランコって何だよ?』

J『この辺じゃ有名な話だ。どこにでもあるだろ、公園のブランコに女が座ってるとか子供が遊んでるとか』

Y『見間違いじゃねぇの?もう一回行くか?』

俺『行ってみるか』

K『おい何かあったらどうすんだよ!!』

嫌がるKを落ち着かせ、俺たち4人は公園に向かった。

さすがに中に入るのは気がひけたので公園の中が見渡せる位置でしばらく様子を窺った。

キィ…キィ…

あ、本当だ。

俺にもはっきり見える。

白い女がブランコに座ってる。

Y『何もねぇじゃん』

J『本当だ。やっぱ見間違いだろ』

え?

YとJはそう言うとKと俺の方を見る。

俺は意外と平然としてた。

ただ女が俯いて座ってるだけ。

何もしなければ害はない。

俺の中の何かがそう言っていた。

しかし問題はKだ。

K『うわああぁあ!!』

Kは一目散に駆けだした。

俺たちは慌てて後を追う。

やっと追いつくと、Kはブルブル震えていた。

俺『実は俺も見たよ。女が俯いて座ってた』

K『!!』

俺『大丈夫だよ、何もしなければ…』

俺の言葉を遮りKは言った。

K『何言ってんだよ!?あの女…こっち見てずっと笑ってたじゃねぇか!!!』

俺はその言葉に背筋が凍った。

俺が見た女とKの見た女、違ったのはなぜだろうか?

その答えは後日解った。

あの後、俺達はそれぞれの家に帰った。

しかし、Kだけは違った。

家に帰ろうとした時に事故に逢い、即死だったらしい。

芸人も言っていたが、2人で同じ幽霊を見て、表情がそれぞれ違って見えたというのは、死神だったんだろうか?

怖い話投稿:ホラーテラー カトウさん  

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