短編2
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右足親指の爪

俺は右足親指の爪が2枚ある

生まれつきではない

俺が五歳の頃。俺には友達がいなかった。保育園とか行ってなかったし、俺の家の近くには同じ年頃の子供がいなかったからだ

その日も外で一人寂しく遊んでいた

俺(つまらん…)

俺がそう思いながら地面に座っていると突然声をかけられた

「なんしゅうるん?」

顔を上げると同じ年ぐらいの女の子が立っていた

俺「遊びょうる」

女の子「一人なん?」

俺「一人じゃ」

女の子「じゃったら一緒に遊ぼうや!」

女の子のその言葉に俺は驚いた。同時にかなり嬉しかった。

俺「ええよ一緒に遊ぼうや!」

俺と女の子はすぐに仲良くなった

俺の初めての友達。名前はタエちゃん

俺達は毎日一緒に遊んだ。今まで身内以外と遊んだことのなかった俺には全てが新鮮で、全てが楽しかった

タエちゃんと出会って1ヶ月ぐらいたったある日、その日も俺達は一緒に遊んでいた

俺「今日はなんする?」

遊びはいつもタエちゃんが教えてくれていた

タエ「今日はあそこからジャンプして遊ぼうや」

タエちゃんが指差したのは、高さ1m50cmほどの塀だった

俺「あそこは高すぎるで…危ないわ」

タエ「大丈夫じゃって!私出来るもん。もしかして男なのに恐いん?」

そう言うとタエちゃんは塀によじ登り軽やかにジャンプして見せた

タエ「ね?簡単じゃろ?」

それを見せられて俺がやらないわけにはいかない

俺は塀によじ登った。登ってみるとかなり高く感じた。内心かなりビビっていたが俺は覚悟を決めた

俺「いくで!」

俺がそう言った瞬間、突然塀から突き落とされた。落ちた衝撃で体が痛い。しかしそれだけではすまなかった右足に激痛が走る。俺の足の上にはブロックが落ちてきていた

俺「ああぁぁぁ痛い痛い痛い痛い!!」

俺は狂ったように泣き叫んだ

すると、地面で這いつくばっている俺の顔をタエちゃんが覗き込んだ

タエちゃんはたまらなく嬉しそうな顔で

タエ「楽しかったバイバイ」

そう言い俺の前から消えた

母から聞いた話だが、俺の右足親指はぐちゃぐちゃに潰れ、今にも千切れそうだったらしい

怪我が完治した後も俺の右足親指の爪は二枚に別れて生えてくるようになった

無論、それ以来タエちゃんが俺の前に現れることはなかった

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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