中編3
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廃校の捜索

あんま怖くない話。

住んでた田舎で、夏に子供が三人いなくなった。

夕方公園で遊んでるのを目撃されてから最後、家に帰っていないらしい。

遊びそうな場所のどこ捜してもいなくて、小さい田舎町だったから町中の人達で総出で捜した。

俺も友達と三人で近所中探し回った。

でも、いない。

俺『なあ、どこ行ったんじゃろ』

A『こん辺は一帯捜したきぃなあ』

B『廃校にでも潜りこんだんかなあ』

俺とAは、はっとした。

山の中程にある廃校になった小学校。

木造建ての3階で誰がやったのか自然災害かガラスは割れまくってる。

雰囲気でまくりな廃校だった。

俺『…行ってみっか』

俺達三人は渋々山道を歩く。

A『見てみぃ、靴跡』

ぬかるんだ山道に小さな子供の足跡がいくつかついていた。

まだ真新しい。

俺『間違いないなあ、Bは麓(ふもと)まで行って誰か呼んできてくれ』

Bは頷くと山を降りて行った。

俺とAはしばらく歩いてようやく廃校につく。

不気味だし正直入りたくはないが自分の母校だし少し懐かしい気はしていた。

俺『いつからこんなボロボロになったんか、しかし懐かしいの〜』

A『ああ、しかし廃校っちゅうと見方もガラッと変わるもんじゃの』

俺達は昇降口の扉を開ける。

湿った空気と暗さが何とも言えぬ気持ち悪さ。

俺『おーい、ガキ共〜おったら返事しいや』

A『はよ帰らんとおとんとおかんに叱られるぞ〜』

返事はない。

仕方なく俺達は一つ一つ教室を見て回ることにした。

情けないことに、俺は怖くてAの後ろにぴったりくっついて捜し回る。

一階から順に、

職員室、保健室、倉庫を見るがどうやら一階にはいないらしい。

俺『こんな気味悪いとこにようも入りよったなあ〜』

続いて二階、

一年の教室、二年、三年と六年まで順に見て回る。

懐中電灯も持たずに来たから携帯電話のライトを便りに探すがやはりいない。

A『はよ帰らんと何か出そうで気味悪いわ』

最後に三階を見る。

音楽室、図工室、理科室。やはりいない。

俺『あーっもう無理じゃ、帰ろうや』

するとAが立ち止まる。

A『…なんやさっきか、見られとる気がする』

俺『やめぇや、洒落にならん』

俺達は足早に階段を降りる。

ギシッギシッと軋む床にすら恐怖を覚える。

A『おらんなあ』

外に出ると辺りは更に真っ暗。

諦めて帰ろうとしたときAが呟いた。

A『…体育館』

俺はなぜか寒気がした。

しかしAはすでに体育館の方へ向かうから仕方なしについていった。

A『見てみぃ、扉あいとる』

サビがかった南京錠はぶら下がっており、扉は半分開いていた。

ギィ

気色悪い音に怖くてマジで嫌だった。

辺りを見回すも音はしない。

俺『やっぱおらんやろ』

その時、

ガタガタ!

と物が落ちる音がした。

俺、半狂乱。

うおっとAにしがみつく。

A『用具室や』

恐る恐るAが用具室を開ける。

すると三人の子供が身を潜めて固まって座っていた。

A『あーおったおった』

俺『コラッ何しとんのじゃばかたれ共』

『あれえ?見つかっちゃったー』

ガキ共、発見。

男二人に女一人、無事保護。

俺『皆捜しとんのじゃ、はよ帰るぞ』

A『おとんもおかんもカンカンじゃぞ』

『はーい…』

俺達五人は外に出る。

すると山道の奥から懐中電灯の明かりが見えた。

俺は安堵して子供に尋ねる。

俺『何しとったんじゃ?』

子『かくれんぼじゃ!』

続けて子供は俺の方を向いてにやにやと嬉しそうにいった。

『えーなあ!彼女おんぶしてラブラブじゃのう!』

その日俺が極度の金縛りにうなされたことは言うまでもない。

怖い話投稿:ホラーテラー ぽんじょさん  

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