第一章第一話『始まり』
龍汰「ハァハァ……あ…茜ぇ……」
一時間前
俺と茜は、葬儀の帰り道を歩んでいた。
空は夕暮れの、
オレンジ一色だった。
周りには誰も居ず、何故か田んぼ道を歩んでいた
茜「あのさ……」
龍汰「…ん?」
その時だった。
悪夢が始まった。
「見ぃ~けた‥‥と」
俺と茜の目の前に、
漆黒のスーツに身を包んだ、一人の金髪の男が現れた。
「え~と、紀本龍汰と、朝比奈茜だろ?」
あ?誰だ?てか何で俺らの名前を……
バキン!
乾いた音が、夕暮れに染まる空に響いた。
龍汰「茜ッ!?」
俺の横には、
頭に穴が開き、血が吹き出したまま倒れている茜が居た。
「よ~し。次は君ね」
男の手には、立派な銃が握られている。
そして、男は俺に銃口を向ける。
龍汰「ハァハァ……あ…茜ぇ」
バキン!
またもや、響く銃声。
どうやら、俺は死ぬみたいだな。
痛くも、何ともねぇや。
隣には茜の死体。
もうすぐ、ソッチに逝くからな。
男のニヤケ顔と共に、
俺の意識は遠退いていった。
ッ!?
ハァハァ…夢か……
俺は自室のベットで目覚めた。
「よお~起きたかぁ」
目の前には先程の男が。
夢じゃなかった…
龍汰「茜は!?」
不意に出た言葉がコレだった。
「あ~…朝比奈ね。第3部隊に捕られたんじゃないか?」
あ?第3部隊?
「言い忘れた、俺Gて名前なんだよ」
Gは、続けた。
G「お前は死んだ。今からは俺の、第1部隊で働いてもらうから」
龍汰「え?え?部隊て何だよ!てか、俺は死んだんじゃねーのか?」
Gの話はこうだ。
俺は死んだが、魂は死んではいない。
しかし、体は偽物。
そして、ココはあの世。罪人しかいないあの世。
俺達は部隊に分けられており、100の部隊があるらしい。
そして、俺は第5部隊。第1部隊が全ての権限を持つ。
次に俺は仕事を与えられる。
仕事は、罪人の親族、友達から無差別に選ばれる。
そして、仕事は罪人を殺すこと。
これが、俺達に与えられた仕事だ。
怖い話投稿:ホラーテラー ドラッグさん
作者怖話