短編2
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半分の顔

僕はたまにパチンコ店に出入りするのですが、つい最近体験した事をお話したいと思います。

もともと霊感体質ではなく今までこれといった体験はした事がなかったのですが・・・

その日は珍しくパチンコが大当たりし、閉店時間近くになっても打っていました。

それまで他のお客さんでごった返していた店内も閑散とし始め、ついには僕一人になってしまいました。

店内の音楽も止められていましたが、僕の台はまだ大当たり中だったのでギリギリまでやろうと思っていました。

ところが、さっきまでは店員さんとかが忙しそうに僕の後ろで閉店作業をしていたのに、気がつくと誰も居なくなっていて

ちょっと寂しいなあ・・

と思っていると、ふと、人の視線を感じたんです。

初めは店員さんかな?と思っていたんですが、ずっと見られていたのでさすがに気味が悪くなりチラッとそっちを見たんです。そしたら・・

壁からすこし出っ張ってる部分から顔が半分だけ(左半分)のぞかせてこちらを凝視しているんです。

人間ではない事はすぐわかりました。その壁の出っ張りにはそれほど厚みはなく、「人間」であれば体が見えてしまうんですが、その体がみえません。

そもそも顔の位置が不自然に低いんです!

さっと血の気がひいた僕は叫びたいのをこらえ、すぐにパチンコを打つのをやめ、大慌てで店を出ました。

あれはなんだったのでしょうか・・・?

何のためにあの場所にあらわれたのでしょうか・・・?

それ以来あの店には行っていません・・・

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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