短編2
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線路

俺の実家は線路に近く、狭い路地を入った所にある。車では入れないから駐車場は少し離れた所に借りていた。駐車場に行くには線路を渡らないと行けない

俺には線路沿いに住む友達Aがいる。家が近いこともありよく遊んでいた

ある日の日曜日、その日はAとその妹のBちゃんの面倒をみていた。

Bちゃんは何故か線路に歩いて行こうとする。その度に俺達は連れ戻していた

今でも思う。何故ちゃんと見ていなかったのか…

俺達が少し目を離した隙にBちゃんはまた線路に向かっていた

俺が気付いた時には、線路のすぐそばに行ってしまっていた

そして俺は見た。

女の人が線路の上で手招きしているのを

直感的にヤバイと思い駆け寄ろうとしたが遅かった

そこに電車が来た

その光景はひどくゆっくり見えた

電車の風圧でBちゃんはまるで紙のように吹き飛んでいった

運転手は気付かなかったのか、電車はそのまま通りすぎた

女の人はいなくなっていた

Aが大声で泣き出した

その声を聞いてAの両親が家から飛び出してくる

Aの父親は血塗れのBちゃんを抱き抱えて病院に走った。何度も何度もBちゃんの名前を呼んでいた

俺は全く動けない。足はガクガク震えていた

動けないでいる俺の所にAが来てこう言った

『お前のせいだ!』

その言葉は俺に重くのし掛かった。俺の親や近所の人は「お前のせいじゃない」って言ってくれたが、俺はなかなか立ち直れずしばらく学校を休んだ

それ以来Aとは疎遠になってしまった

二年後、俺が学校から帰ると線路に警察がいるのが見えた

人が轢かれたらしい

同級生の父親だった

次の日から線路にフェンスが立ち封鎖された。もともと遮断機もない立入禁止の所だった。むしろ今まで封鎖されてなかったのが不思議なくらいだ

俺の親は「遠回りしなくちゃいけなくなった」って嘆いていたが、俺は封鎖されて良かったと思う

あれから20年近く経った。あの女の人はなんだったのかはわからないままだ。それに女の人の姿は記憶から薄れ、ほとんど思い出せない

だが、血塗れのBちゃんは今でも俺の記憶に焼き付いている

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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